<しみん発>障害関係なく共に育つ 学びの広場代表・加藤正文さん(71)

2020年9月12日 06時30分

学びの広場のメンバーと話す加藤さん(左)=東京都国分寺市で

 障害の有無にかかわらず、共に育ち、学べるフリースクールが東京都国分寺市にある。1987年に誕生し、2000年にNPO法人化した「学びの広場」。不登校の人や発達障害がある人などが、自分のペースで学べるように長期にわたりサポートする。代表の加藤正文さん(71)は「ハンディというよりその人らしさ。みんな、ゆっくりだけれど成長している」と話す。 (竹谷直子)
 学びの広場は、一人一人の子どもの個性を生かした学びの場を作ろうと教育関係者たちが設立したフリースクールだ。不登校が増える中、画一的なカリキュラムに子どもたちを当てはめようとする教育システムに疑問を持ったことがきっかけだった。
 加藤さんは学びの広場の活動が始まって間もなく、知人の紹介でその存在を知った。のびのびと学ぶ子どもたちの姿に引かれ、経営していた進学塾をたたんで、同団体へ移った。
 現在は、六〜四十八歳まで「メンバー」と呼ばれる五十一人が通う。設立当初は、それぞれのペースで学べるようにマンツーマンの支援が中心だった。父母らとの交流を続けていくうちに、父母が運営する喫茶店「日曜喫茶」で、広場のメンバーがフロアスタッフとして働いたり、仲間づくりのための場「金曜クラブ」が開かれたりして活動の幅が広がった。
 広場では互いに教え、教えられる関係を大切にしている。メンバーが絵本を読んで涙ぐんだり、友人の失敗をねぎらったり。「メンバーは痛みを知っているから、人を傷つけない優しさを持っている」と加藤さん。「本をうまく読めるのは僕だけど、作者の伝えたかったことを体全体で受け止め、感動を表すのはメンバーだったりする。こちらも学んでいる」と話す。
 設立当初から通っているメンバーも六人いる。コミュニケーションが苦手で、人と目を合わせることもできなかった少年は、高校生から学びの広場に通い、約十五年かけ、一人で紙芝居のボランティアに出掛けられるようになった。「日曜喫茶」でフロアスタッフとして働き続け、地域の客に話し掛けることができるようになった人もいる。加藤さんは「長年付き合うことができるからこそ成長が分かる」と広場の意義を語る。
 新型コロナウイルスの影響で喫茶店など一部の活動は休止しているが、感染予防をしながら再開を目指している。加藤さんは「いつでも戻れる場として、この活動を維持していきたい」と誓う。
<かとう・まさふみ> 長崎県島原市生まれ。早稲田大学を中退後、東京都府中市内で学習塾を経営。1987年に学びの広場に加わり、95〜2000年と、17年〜現在まで代表を務める。問い合わせは=電042(322)7160=へ。

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