野外、高所の送電線工事にクライマーを勧誘 富山の会社がボルダリング施設の取得で人材確保

2020年9月12日 11時14分
最新設備を導入したボルダリングの壁と平野誉士専務=いずれも富山県南砺市の桜ケ池クライミングセンターで

最新設備を導入したボルダリングの壁と平野誉士専務=いずれも富山県南砺市の桜ケ池クライミングセンターで

  • 最新設備を導入したボルダリングの壁と平野誉士専務=いずれも富山県南砺市の桜ケ池クライミングセンターで
  • 器具にロープを引っ掛けて登るリードクライミング用の壁=富山県南砺市の桜ケ池クライミングセンターで
 クライミングが東京五輪の新競技として注目される中、富山市の電気工事会社「平野電業」が、“畑違い”の桜ケ池クライミングセンター(富山県南砺市)を取得し、7月に改装オープンさせた。国際大会の誘致や五輪を目指す選手の育成で地域の活性化を目指すが、最大の目的は集うクライマーを送電線工事の社員に勧誘して、人材確保を図ることだ。(松村裕子)
 「成功した。このまま人材を確保したい」
 平野誉士専務(40)はセンター効果に驚きつつ自信を深める。6月のプレオープン後、新卒と中途の採用が1人ずつ決まった。
 野外の高所で体力仕事をする作業は敬遠され、約5年間、一人も採用できていなかった。わずか数カ月で「今より安定した職場」「冬場に岩登りがしやすい」と人材が集まり始めた。
 平野さんは約1年前、テレビでクライミングを見て「クライマーなら高所作業に合うのでは」と思い付いた。調べると南砺市が、老朽化して利用が低迷しているセンターを最低価格1円で売り出していた。
 センターは2000年富山国体のために造られた。ジュニアオリンピックやアジア大会も開かれていた。「クライマーが集まってくる。求人の宣伝効果が見込める」と、株主でもある北陸電気工事(富山市)に相談。送電線工事は北電工が監理、平野電業が作業をするため、北電工も人材確保は重要として協力することにした。
 提案募集で別の団体と競合し、平野電業と北電工のグループが1100万円の取得を提案して総合評価で選ばれた。グループは国際大会の基準に合うように8000万円をかけて改修した。
 クライマーは競技と両立させ、引退後にもできる仕事を見つけにくいのが現状。送電線工事は景気に左右されず、繁忙期が岩登りシーズンと重ならず、野外作業で新型コロナウイルス感染の恐れも少なく、利点がある。
 平野さんは「より多く工事を請け負えるよう、まず15人、その後も毎年3人ずつ採用したい」と意気込む。

 桜ケ池クライミングセンター 突起に足や手をかけて登るボルダリングの壁は高さ最大4・3メートル、8面。初心者、上級者向けがある。発光ダイオード(LED)ライトでルートを設定できる最新設備も導入した。ロープを使うリードクライミングの壁は高さ最大16メートルで4面あり、国際大会も開ける。小中高生向けスクールも開いている。利用は1日2200円。問い合わせはセンター=電0763(62)8123=へ。

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