総裁選「核軍縮」の議論低調…「恥ずかしい」失望の声続々

2020年9月12日 20時30分

自民党総裁選の公開討論会で記者の質問に答える(左から)石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長


 安倍晋三首相の後任を決める自民党総裁選で、核軍縮を巡る政策論議が低調だ。広島と長崎への米国の原爆投下から75年で、各国の自治体でつくる平和首長会議が核廃絶の期限とする節目の年を迎えたが、3候補の政策集にも関連した記述はない。政府に核兵器禁止条約への参加を求める団体からは失望の声が上がっている。
 石破茂元幹事長、菅義偉すがよしひで官房長官、岸田文雄政調会長の政策集に盛り込まれているのは、新型コロナウイルス対策や経済政策、地域活性化といった内政課題が中心。討論会では互いに質問をぶつけ合う機会もあったが、核問題に関するやりとりはなし。岸田氏が12日の日本記者クラブ主催の公開討論会で「私は広島出身だが、核軍縮をはじめとする平和の問題で、日本が存在感を示していくことが大事だ」と触れた程度だ。
 核兵器禁止条約の年内発効を目指す非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」国際運営委員の川崎あきら氏(51)は、本紙の取材に「次の日本の首相を決める選挙でほとんど議論されていないのは残念」と述べる。
 核兵器禁止条約は核の保有や開発、使用の威嚇などを全面的に禁じる内容。2017年に国連で採択されたが、核保有国の米国や中国、ロシアなどに加え、米国の「核の傘」にある日本も反対の立場を取る。条約が効力を持つための50カ国・地域の批准まで残り6カ国・地域となっており、川崎氏は「条約発効時に次期首相が被爆国として何を発信するのか問われる」と指摘する。
 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の木戸季市すえいち事務局長(80)も本紙の取材に「戦争被爆国の政治家として何を考えているのか。議論しないのは恥ずかしい」と憤り、次期首相が条約への参加を決断するよう求めた。(川田篤志)

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