負の遺産「モリカケ桜」菅氏は「解明不要」 石破、岸田氏との違い鮮明
2020年9月13日 06時00分
自民党総裁選に立候補した石破茂元幹事長、菅義偉 官房長官、岸田文雄政調会長は12日、日本記者クラブ主催の公開討論会に出席した。森友、加計 学園や首相主催の「桜を見る会」など国民に疑惑を持たれた問題を巡り、安倍晋三首相からの継承を掲げる菅氏は、いずれも疑惑解明の必要がないと主張。石破、岸田両氏は再調査に柔軟な姿勢を示し、安倍政権の「負の遺産」への立場の違いが鮮明になった。(川田篤志)
◆菅氏「森友問題は結果出ている」
森友学園への国有地売却の公文書改ざん問題について、菅氏は「財務省で調査し、検察でも捜査した。結果は出ている」と強調。「再びこうしたことを起こしてはならない」と再発防止策が重要だと訴えた。
公文書改ざんを強いられて自殺した財務省職員の妻が求める第三者委員会による再調査も不要との見解を示して「結果として処分は行われた」と指摘。麻生太郎財務相らが政治責任を取っていないことへの見解を問われたが、明確な回答をしなかった。
首相の友人が優遇されたとの疑惑を持たれている加計学園の問題では「法令にのっとって、オープンなプロセスで検討が進められたことが明らかになっている」と回答。世論が納得しているか認識を聞かれたのに対しては「世論というよりも、やはり政府」と述べ、世論より政府としての判断が重要との認識を示した。桜を見る会を巡る問題は「国会でたびたび答弁している」として詳しい説明を避けた。
◆石破氏は政府対応批判「再調査すべき」
これに対して、石破氏は「必要ならば再調査すべきだ。国民が『納得した』と言うのが過半数にならなければいけない」と異議を唱えた。桜を見る会に関しては「不公平があったんじゃないですかということだ。記録を残すのは当たり前のことだ」とこれまでの政府の対応を批判した。
◆岸田氏も問題視「国民は納得しているか」
岸田氏も「説明が十分かどうかは、説明する側ではなく、説明を受ける側が納得しているかどうかだ」と問題視。「(首相の)立場に立ったなら対応は考えないといけない」と語った。
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