初沢亜利さんが写真集 出版 無人の駅前、閉鎖された公園の桜並木… コロナ禍の東京記録

2020年9月13日 07時04分

日中なのに無人の原宿駅前

 閑散とした駅前、使用禁止の遊具、客がいない商店…。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、港区の写真家の初沢亜利(あり)さん(47)が、変化した東京都の日常を撮り続けている。二月から七月までを撮った写真集「東京、コロナ禍。」(柏書房)も出版した。「写真家のまなざしで今の東京の記録を残したい」と話している。 (宮本隆康)

コロナ禍の東京を撮影している初沢さん=港区赤坂で

 初沢さんは、これまでイラクや北朝鮮、沖縄の基地問題などをテーマに写真集を発表している。本紙で二〇〇〇年から約一年半、フォトエッセー「東京ポエジー」を連載して以来、東京の街を撮るのは約二十年ぶりになる。
 「自分の住む街を撮っておく大切さに気付き、五輪イヤーの東京を撮影しようとした。その延長線上にコロナ禍があった」と語る。

江東区でのマスクの高額販売

 三月は閉鎖された上野公園の桜並木、四月は無人の原宿駅前などを写真に収めた。四月の夜、一人で踊っていた女性を撮ると、コロナ禍で公演の場がなくなったダンサーだった。「また舞台に立つ日のために練習している」などと明かしてくれたという。

閉鎖されて無人の上野公園の桜

 一変した日常生活の一方で、公園でくつろぐ人や駅で抱き合う男女など、変わらぬ光景も撮影した。
 初沢さんは「職を失った人やつらい人は多いだろうけど、会社に行かず子どもと遊んだり、コロナ禍で自由に過ごし、楽しむ人も多かった。危機感の強い人もいれば、居酒屋で飲む高齢者もいて、心情はバラバラだった」と振り返る。

客がいないアメ横の商店

 「コロナ禍の都市の感情や、東京人の自画像を撮っている、と意識している。記録として写真を残すことに意義を感じ始めた」といい、今も路上を歩き続けている。
 写真集は百六十ページで、時系列で百四十二点を載せている。A5判、税込み千九百八十円。写真展が二十六日まで、港区赤坂のバー「山崎文庫」で開かれている。

使用禁止にされた荒川区の公園の遊具


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