異論なき安倍政治の継承に違和感 政治部長・高山晶一

2020年9月14日 19時24分
自民党の両院議員総会で安倍首相(左)に花束を手渡す菅新総裁

自民党の両院議員総会で安倍首相(左)に花束を手渡す菅新総裁

  • 自民党の両院議員総会で安倍首相(左)に花束を手渡す菅新総裁
 自民党総裁選は、長期政権で数多くのひずみが指摘された安倍晋三首相の政治を見直す機会だった。しかし、選ばれたのは、安倍政治を「継承し、前に進める」と訴えた菅義偉官房長官。自民党がこの選択をした意味は重い。
 総裁選で印象的だったのは、菅氏が安倍首相を称賛し感謝する場面が度々あったこと。さらに、「7年8カ月の間、重要政策を決定するとき、私はすべて関与してきた」と、自分が安倍政治の当事者だったことを力説した点だ。
 その一方で菅氏は、森友問題や加計問題は解決済みとの立場を崩さないなど、安倍政治の反省点や、改善すべき点は口にしなかった。本当に安倍政治に反省点はなかったのだろうか。
 安倍政権は、世論に耳を傾けず、違憲の疑いが強い安全保障政策などを推進。異論を唱える人たちを敵として扱った結果、社会に分断が生まれた。大企業優先の経済政策で格差も拡大した。権力は抑制的に使うべきだという為政者の鉄則を、大きく踏み外していた。
 石破茂元幹事長が「納得と共感」、岸田文雄政調会長が「分断から協調へ」を掲げたのは、安倍政治には欠陥があったという意識が自民党内にもあった証拠だ。にもかかわらず、圧勝したのは菅氏。安倍政治を異論なく継承することを、自民党として選択したことを意味する。
 合流後の立憲民主党などの野党は、安倍政治からの転換を強く打ち出している。次期衆院選は、全国民が参加する次の選択の場となる。(政治部長・高山晶一)

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