ベラルーシ国境付近の治安部隊撤収で合意 プーチン大統領15億ドルを緊急融資も

2020年9月16日 05時50分
 【モスクワ=小柳悠志】ロシアのプーチン大統領は14日、南部ソチでベラルーシのルカシェンコ大統領と会談し、ベラルーシとの国境付近に配置していたロシアの治安要員を撤収することで合意した。抗議デモの沈静化のための特別部隊を引き揚げることで、ベラルーシ情勢が安定しつつあることをアピールする狙いとみられる。

◆ルカシェンコ大統領と首脳会談

14日、ロシア南部ソチで会談するプーチン大統領(右)とベラルーシのルカシェンコ大統領=ロシア大統領府提供、タス・共同

 治安部隊は15日、合意に基づき撤収を始めた。同部隊はルカシェンコ氏からの武力介入の要請に基づき、プーチン氏が8月下旬に結成したと表明していた。
 会談で、プーチン氏は大統領選でのルカシェンコ氏当選が正当とする一方、「国内の問題は対話で解決する必要がある」とし、大規模デモを続ける反政権派に一定の理解を示した。ルカシェンコ氏が一時、新憲法制定後の退任に言及したことも「時宜にかなっている」と評価。反政権派の批判がこれ以上ロシアに向かないよう配慮した格好だ。
 プーチン氏はまた、ベラルーシの経済的苦境を踏まえて15億ドル(約1590億円)の緊急融資をすると表明。経済面での政権支援の方針を強調した。

◆経済は軍事で両国の統合「義務」

 また両国間で1999年に調印された条約に基づき、経済や軍事で統合を進めることが「義務」だと説明。ベラルーシの貿易額の半分がロシア相手であることも強調した。
 反政権デモに対する弾圧などで、欧米からベラルーシへの制裁が予想される中、ロシアからの経済支援は重要だ。ロシアメディアによると、プーチン氏はデモや制裁によるルカシェンコ政権の弱体化を見透かし、支援の見返りに経済統合を迫っているとの見方が強い。
 ロシア有力紙イズベスチヤも15日、「ロシアの狙いはルカシェンコ政権の維持ではなく、新憲法制定と後継者探しだ」とする政治評論家の分析を掲載した。

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