「いや、選挙以外にないでしょ」 河井夫妻公判で広島県議が証言

2020年9月16日 20時57分

河井克行被告(左)と案里被告

 昨年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反の罪に問われた参院議員河井案里被告(46)=自民党を離党、広島選挙区=の東京地裁での公判で16日、現金を受け取ったとされる地元議員に対する初の証人尋問が行われた。元広島県議会議長の奥原信也県議(77)が出廷し、現金受領を認めた上で「票を集めてほしいという意味だと思った」と証言した。
 夫で元法相の克行被告(57)=同、衆院広島3区=が弁護人を解任したことを受け、地裁は同日、夫妻の公判を分離した。克行元法相の公判は当面開かれない見通しで、案里議員だけが出廷した。
 夫妻は現金の配布をおおむね認めており、現金の趣旨が選挙運動か政治活動かが争点。奥原県議が入廷すると、被告人席の案里議員は軽く頭を下げたが、奥原県議は視線を合わせることなく証言台の前に進んだ。
 奥原県議は検察側の質問に、自身の県議選中だった昨年4月と6月、克行前法相から計150万円を受け取り、5月には案里議員から50万円を受け取ったと証言。いずれも事前に「会いたい」とだけ電話があり、事務所を訪れた夫妻は参院選の話題に触れた後、それぞれ「現金入りの白い封筒を黙って机の上に置いていった」と述べた。
 奥原県議は現金の趣旨について「案里議員を応援してほしいという意味の現金だと思った。表に出せない違法な金だと分かったが、そのまま金庫に入れた」と話した。夫妻は公判で「選挙運動ではなく、(県議選などの)陣中見舞いや当選祝いで現金を渡した」と無罪を主張している。
 案里議員の弁護側は、事務所で案里議員からどんな発言があったか尋ねた。奥原県議はいったん「覚えていない」と述べた後、「選挙お願いします、と言われた」と修正した。弁護側が「本当にそう言ったのか」と再び聞くと、「いや…。選挙以外にないでしょ」といら立つ場面もあった。(池田悌一)

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