日本初の近代的人口調査実施 杉亨二の功績紹介 沼津市明治史料館

2020年9月17日 08時12分

杉亨二の胸像

 明治初期、国勢調査の基になる日本初の近代的人口調査を沼津などで実施した杉亨二(すぎこうじ)(1828〜1917年)の胸像や功績を紹介する資料が、沼津市明治史料館で展示公開されている。杉の調査や研究をしている団体「沼津郷土史研究談話会」が国勢調査の開始100年に合わせて同館と交渉、実現した。(渡辺陽太郎)
 胸像は高さ約三十センチ強の銅製。亡くなる前年に製作され翌年、長女が親族に配るために複製したうちの一つで、二〇〇九年に子孫から同館に寄贈された。一四年に初公開され、その後、倉庫に保管されていた。公開は四年ぶりという。
 杉は現在の長崎市出身で、十歳で孤児となったが、苦学の末、幕臣となった。幕府の洋学研究機関に勤めた際、外国の識字率調査に出合い「日本にも必要だと感じ、統計を志した」と自著で振り返っている。
 明治維新後の数年、沼津に住み静岡藩に仕えた。一八六九年、人口調査「駿河国人別調(するがのくににんべつしらべ)」を実施。藩内で異論が出て調査は沼津と原(現在の沼津市原地区)にとどまったが三年後、現在の総務省統計局長に就任。沼津での調査を生かし七九年、現在の山梨県を対象に人口調査を行ったという。この調査が国勢調査の先駆けと評価される。
 杉はその後、統計学校の設立など後進を育成しながら総人口調査の必要性を訴え続けた。だが第一回国勢調査は、死後の一九二〇年まで実現しなかった。
 今回の展示・公開は、沼津郷土史研究談話会の主催。十五日に記念献花式があった。同会員で自らも国勢調査に関わった元県職員上柳晴美さん(72)は、杉を知って統計にかける情熱などに触れ「(仕事は)大変だけど、頑張ろうと奮起した」という。上柳さんは「多くの人に杉の功績を知ってほしい。本年度の国勢調査が始まっている今だから実感しやすいのではないか」と呼び掛ける。

杉亨二の胸像に献花する式典の参加者=いずれも沼津市明治史料館で

 展示・公開は十月十八日まで。無料。開館の問い合わせは沼津市明治史料館=電055(923)3335=へ。

◆県内で調査用紙配布始まる

 2020年は5年に1度の国勢調査実施の年。県内は14日から調査用紙の配布が始まった。県統計調査課によると、住民票が現住市町と別の自治体にある人も、現住市町の人口として数える。結果は地方交付税交付金の算定に利用され、行政サービスを受ける市民への影響は大きいという。
 県によると、今回は前回(15年)を上回る数の調査員を確保。新型コロナウイルス対策のためインターホンやドア越しで説明する対策を徹底するという。回答は10月7日(御前崎市は11月20日)まで。インターネットでも回答できる。

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