「東欧のシリコンバレー」ベラルーシ、IT企業が国外に移転 政権の市民弾圧に反発 

2020年9月18日 06時00分
【モスクワ=小柳悠志】反政権デモが続くベラルーシで、IT関連企業が国外に移転する動きが相次いでいる。15日には12社が隣国ラトビアにオフィスを移すことが判明。「東欧のシリコンバレー」と呼ばれる同国だが、ルカシェンコ大統領による市民の弾圧に企業側が「ノー」を突き付けた格好だ。

ミンスクのテクノパークで2019年4月、IT企業を視察するルカシェンコ大統領(右)=大統領府公式サイトから

 ラトビア経済省の15日の発表によると、ベラルーシから12社(約500人)が移転を決めたほか、既に100社余りがラトビアへの社員退避を相談しているという。「IT立国」を掲げ、企業誘致を図ってきたルカシェンコ氏にとって痛手になりそうだ。
 インタファクス通信によると、治安当局は大統領選直後、日本の楽天グループの国際電話会社「バイバー」の社員をデモ隊の近くにいたなどとして拘束。米配車大手ウーバーなどのオフィスも政府の武装部隊が占拠した。ネット空間で飛び交う大統領選への抗議を抑え込む狙いとみられる。
 拘束されたデモ参加者は拷問を受けたと報じられている。楽天バイバーの幹部はロシアの経済誌に「人々が恐怖の中で暮らす国に投資はできない」と非難。首都ミンスクのIT最大手で働くジェーニャさん(34)は本紙に「政権の横暴を見て見ぬふりをして働くのは苦しい」と語った。
 ベラルーシの基幹産業は旧ソ連時代から重工業や酪農だが、ルカシェンコ氏は2005年、IT産業の育成を狙ってミンスクに「テクノパーク」を開設。IT企業には税制優遇措置もあり、日本でも愛好家が多い戦車ゲームの会社など約1000社が拠点を置いていた。

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