<新・笑門来福 桂雀々>野菜生活 始めました

2020年9月18日 07時33分

左から、三遊亭兼好君、新真打ちの三遊亭志う歌君、そして軽くなり快調になった僕です

 還暦にして、野菜生活始めました。人間、ボーッとしていても変化はあるもんです。僕なんかもボーッとしているうちに突然、初孫ができ、医師からはまさかの糖尿病を宣告されました。これには大ショックです。今までの暴飲暴食を猛省し、これからはちゃんとやります! と必死でわびても、お医者様は許してはくれません。教育入院っていうらしいんですけど、とにかく入院して徹底的な検査と健全な食事を勉強しましょう! ということで急きょ、二週間の入院がスタートです。
 ところが、ほら、病院食って、そうそうおいしくないじゃないですか。でも、初日二日目あたりは「えっ! こんな薄いの食べられるかいな」とブツブツ言っていたものの、人間、慣れとは恐ろしいもので、毎回の食事が楽しみになるわけです。しかも、その薄味こそが美味と思えてくるから不思議。晴れて真面目な患者生活を経て、世間様に戻ってくることができました。
 こう見えて、医者と警察にはめっぽう弱い質(たち)ですから、おっしゃることはきちんと守ります。以来、塩分は極めて少なく、とにかく野菜中心の食生活で無理もなく五キロも減ったんですから褒めてください。もちろん、浴びるほど飲んだ酒は過去の事。今じゃハイボールを二杯くらいでセーブセーブ。コンビニの買い物もカロリー表示を確認し、〆(しめ)のラーメンなど皆無です。その甲斐(かい)あって最近、身体が軽くなった分、高座もそうそう疲れなくなりました。いや、すごく楽しい!
 先日は「三遊亭志(し)う歌真打(かしんうち)昇進記念公演」にも出させていただき、口上も高座もそれはそれは面白かった。今年の真打ちは本当に大変なんです。本来ならば、各所で披露目の会がたくさん用意され、満場の拍手喝采に包まれ、華やかな真打ちの道を歩むはずです。
 それがコロナの加減で多くの公演も中止や延期になり、さぞや気落ちしているのかと心配もしておりました。しかし、そんなことでめげる噺家(はなしか)ではございません。三遊亭兼好君の毒もありながらの温かい爆笑口上もエールとなり、トリの志う歌君の大ネタ「ねずみ穴」は貫禄すら感じました。舞台袖から観(み)る彼は、未来の大看板を思わせます。頑張れ、志う歌! あっ、その前に酒の飲みすぎだけはあかんで。俺みたいになるなよ。あれっ、僕って、ええ先輩やん。

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