<ふくしまの10年・連載半年 読者から>(4)障害者を気遣う社会に

2020年9月18日 08時05分

双葉町のために何かしたい人が集まる「ふたばファンクラブ」の会員証を手に、町への思いを話す官林祐治さん=横浜市で

 「『消えた障害者』を捜して」(六月二〜同十三日)には、川崎市の官林祐治さん(63)から<古里・福島県双葉町への思いを新たにした。私は今、障害児への支援に当たっており、予想される大震災を考えると身につまされた>と発言欄に投稿がありました。
 官林さんは、認可保育所や、障害児が放課後に通う教室などを営む横浜市のNPO法人で理事をしています。双葉町で生まれ育ち、大学に進学してからは、首都圏で暮らしています。職場で話を聞きました。
 故郷の双葉町には両親の墓があり、兄や友人、恩師が暮らしていました。「何もない時には感じなかったけれど、ふるさとを失ってみると漠然とした喪失感がある」
 通っていた双葉高校の休校にも寂しさを感じています。三年後に迎える創立百周年を、できれば双葉町で祝いたいと同級生とは話しているそうです。
 東日本大震災当日は、障害児たちを、小学校まで迎えに行っていました。その日は保護者との連絡などに追われ、大変だったといいます。故郷の障害者たちがどう過ごしたのかも気掛かりでした。
 障害のある子どもたちを預かっていて、地震だけでなく、最近激しさを増している水害も官林さんは心配しています。車いすの子を無事に避難させられるかなど、さまざまな危機感を抱いています。
 連載では、障害者がほかの人に迷惑をかけたくないと、避難をためらう現実を紹介しました。官林さんは災害時に誰も取り残さないという「インクルーシブ(包括的)防災」という言葉に希望を感じます。
 「災害時に急にインクルーシブにはなれない。日ごろから障害者の存在を意識する社会になってほしい」 (早川由紀美)
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