差別 悲しみ そして笑顔 ハンセン病・重監房資料館で写真展 草津で

2020年9月19日 07時10分

元患者たちの写真を見学する来館者=草津町で

 草津町の国立ハンセン病療養所「栗生(くりう)楽泉園」に隣接する重監房資料館で、故人の元患者たちや園内にある重監房跡の発掘を撮影した写真を計三十六枚集めた企画展「重監房跡を掘る☆撮る〜黒崎(旧字)(さき)彰写真展」が開かれている。資料館の設立に尽力した元患者たちの姿などから、元患者たちの情熱や設立に至る歩みを理解できる。(菅原洋)
 日本写真家協会会員の黒崎(旧字)彰さん(67)は新潟県出身で、東京都在住。都内の国立ハンセン病療養所「多磨全生園」で撮影するうち、元患者の故山下道輔さんに出会った。山下さんはハンセン病関連図書の収集に功績があり、全生園に隣接する国立ハンセン病資料館の設立につながったという。
 山下さんは、楽泉園の元患者でハンセン病国賠訴訟の全国原告団協議会の会長を務めた故谺(こだま)雄二さんと幼なじみだったため、黒崎(旧字)さんは楽泉園を訪問するようになった。
 展示している作品のうち、元患者たちはモノクロ写真。谺さんと山下さんを写した写真は、あまり笑わなかった二人が最高の笑顔を見せた瞬間を捉えた。
 一方、重監房は逃走など理不尽な理由により、延べ九十三人の患者が冬は氷点下十数度になる暗黒の密室に監禁され、粗末な食事しか与えられず、二十三人が亡くなったとされる。
 展示写真の半数以上のカラー写真は、重監房跡を二〇一三年ごろに発掘している様子などを記録し、常設展示している展示品の出土状況が分かる。
 重監房資料館の黒尾和久部長(学芸員)は「重監房資料館の設立に努力した元患者たちの姿を共感的に知り、発掘の様子も視覚的に理解してほしい」と話している。
 企画展は十二月二十八日までの予定。入館無料。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、事前予約は不要だが、来館者の入館制限を当面続けている。十一月十五日からは事前予約が必要。原則月曜休館。

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