<法律お助け隊 加藤健次弁護士>賃貸中の所有物件で水漏れ

2020年9月19日 07時09分
<お悩み> 築40年のマンションの1室を所有し、貸し出しています。その部屋の階下に住む人から「水漏れがあった」と苦情がありました。管理会社に調べてもらうと、排水管が老朽化していたそうです。損害賠償を求められましたが、どうすればよいでしょうか。 (東京都・女性55歳)

◆原因で異なる損賠責任

<お答え> マンションの水漏れ事故は、原因の特定や、階下に住む人との関係など、いろいろと難しい問題を含んでいます。
 水の出しっ放しなど、借り主の不注意が原因の場合は、借り主が損害賠償責任を負います。
 ただ相談のように、排水管など設備が原因の場合は、その不具合が起きた場所が問題となります。共用部分ならば管理組合が、専有部分ならば所有者が、修繕と下の階の居住者の損害を賠償する責任を負います。場所がはっきりしない場合は、共用部分に原因があるとみなすことになっています(建物の区分所有等に関する法律九条)。
 通常、マンション管理規約で共用部分と専有部分の区分がされています。部屋の床下の排水管は一般的には専有部分とされますが、マンションの構造によって具体的に判断されます。
 マンションの専有部分から本管に至る枝管が床下のコンクリートと下の階の天井の間を通っていたケースでは、上の階から点検、修理を行うことができないことを理由に、枝管が共用部分に当たると判断した裁判例もあります(最高裁二〇〇〇年三月二十一日判決)。
 賠償すべき損害は、天井や壁のクロスの張り替えなどの修繕費、水漏れで使えなくなった家具や衣類の弁償(事故時価格)などが考えられます。事故対応で仕事を休んだ際の休業補償を請求されることもあります。
 水漏れがわかったら、借り主や階下に住む人、管理会社など関係者にできるだけ早く連絡をとり、原因を調査することが必要です。漏水による第三者への損害賠償を対象とした火災保険もあります。保険会社にも確認してみてください。

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