菅政権の課題 コロナと医療 現場を支える態勢急げ

2020年9月19日 07時51分
 新型コロナウイルス感染症の流行が長引き、医療従事者の疲弊も増すばかりだ。治療を担う医療機関の態勢強化は喫緊の課題のままだ。新政権は対策の手を緩めず感染拡大への備えを固めたい。
 最初の流行時は、マスクやガウンなどの防護具が不足する中で患者が急激に増えた。病床の準備にも慌てた。軽症者を収容する宿泊施設も不足し、検査態勢も不十分だった。
 治療は手探りで現場はかなりの緊張を強いられた。
 今は、貴重な経験を生かせる。防護具の確保は進み、病床や宿泊施設の確保は段取りができた。検査態勢も拡充が続く。重症者には治療薬が現れ、肺炎や血栓を抑える薬剤の併用に効果があることも分かってきた。院内感染への対応も強化されている。
 一方で、医療機関は経営悪化に直面している。日本病院会などの病院団体によると、四〜六月の病院経営は六割以上が赤字、感染した患者を受け入れている病院だと赤字は八割を超えた。
 特に、感染した患者の治療に当たる医療機関は感染者の入院に備えて病室を空けておいたり、感染者以外の患者の治療を中止するなどしたため収入が減った。
 こうした経営悪化によるしわ寄せが、最も支援が必要な最前線に立つ医療従事者の賃金などに及ぶことは避けねばならない。
 政府は予備費を使い、病床を確保する医療機関への財政支援を拡充する。医療関連には全体で一兆円超を充てるが、経営状況を注視し不足なら追加支援も積極的に検討すべきだ。
 これからインフルエンザの流行期を迎える。新型コロナと合わせ患者が増える懸念がある。
 両方の診断、治療ができる医療機関を都道府県が指定して確保する。かかりつけ医や身近な医療機関も参加してもらうことでスムーズな検査・治療の提供を目指すが、それにはより多くの医療機関の参加が不可欠である。
 財政支援を十分に行い経営と診療の両立を支えるべきだ。
 自治体は軽症者向けの宿泊施設の確保などを進め医療機関の負担軽減に努めてほしい。感染が広がった沖縄県に他地域から看護師らが応援に入った実績もある。地域同士の連携は重要だ。
 感染者や医療従事者らに対する差別・偏見も精神的負担を増やしている。政府は相談窓口の充実なども併せて進めるべきだ。

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