新型コロナで夢破れた高3へ 一流アーティストが送る応援歌「真夏過ぎの花火」

2020年9月19日 12時25分

「真夏過ぎの花火」のダンスバージョンの一場面(長岡成貢さん提供)

 新型コロナウイルス禍で、今年は部活で頑張ってきた高校3年生の夢の舞台が次々と消えた。夏の甲子園や全国高校総合体育大会(インターハイ)は中止され、全国高校総合文化祭もインターネット開催だった。そんな高校生を音楽の力で元気づけようと、世界的に有名な現代美術家が発起人となり、音楽家らが協力して応援ソング「真夏過ぎの花火」を制作した。「高校生に夢と希望に向かって花火を打ち上げてほしい」との願いを込めた。(水谷エリナ)
 「♪哀しい時は 泣けばいい そして嬉しい時は 仲間達と笑顔を咲かせて もう一度熱い季節が 過ぎるとしても 打ち上げよう 一瞬を」
 静かな導入部分から、サビにかけて明るく疾走感のある曲調に変わっていく。コロナで逆境の中にある聴き手を勇気づける詞を乗せている。

作曲した長岡成貢さん(左)と発起人となった宮島達男さん=守谷市で

 発光ダイオード(LED)で光るデジタルカウンターを用いた作品で世界的に知られる現代美術家の宮島達男さん(63)=茨城県守谷市、SMAPや嵐などのアーティストに楽曲提供する作曲家の長岡成貢さん(59)らが取り組む「まなはなプロジェクト」で楽曲を制作した。楽曲や動画作りなどで約35人がプロジェクトに加わった。
 プロジェクトが始動したのは6月下旬。茨城県内屈指の強豪校の野球部に所属する友人の息子が3年生最後の夏の甲子園中止が決まって意気消沈していることを聞いた宮島さんが、「同じ状況の高校生を励ます方法はないか」と考え始めたのがきっかけだった。
 宮島さんが友人の長岡さんに相談すると、長岡さんが楽曲を作ることを提案。知り合いの作詞家の溝口貴紀さんや歌手、演奏家らに連絡を取り、「真夏過ぎの花火」を作り上げていった。長岡さんは「音楽業界もコロナで大きな打撃を受ける中、自分のことのようにやってくれて、感動した」と振り返る。
 楽曲は、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で公開されている。ナレーションが入ったフルバージョン(7分23秒)や、1分のショートバージョン、東京都内の高校生が振り付けをして踊っている動画、歌手や大学生らが応援の気持ちを込めて合唱している動画もある。
 長岡さんは「目標と夢舞台を失った高校生や、一緒に悩む親が元気になり、前へ進んでくれたら」と多くの人に届くことを願う。宮島さんも「目に見えない心の傷に音楽がじんわりと効いてくる。コロナで我慢をしている人を癒やすのが音楽の大事な役割だと思う」と音楽の力に期待する。
 今後、プロジェクトを広めていくため、吹奏楽などに合わせ、アレンジをした楽譜をダウンロードできるようにすることも検討している。
    ◇
♪「真夏過ぎの花火」♪ 1番の歌詞

夏雲の影を追った
あの日の少年は今も
変わらない夢のなか
真っ白な袖を汚した数
夢中になれるものと出逢う旅
打ち上げ前夜を待つ花火に
予報はずれの雨 落ちるとしても
これまでのすべてに
どうか 青空の傘を
哀しい時は 泣けばいい
そして嬉しい時は 仲間達と笑顔を咲かせて
もう一度熱い季節が 過ぎるとしても
打ち上げよう 一瞬を

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