中国・モンゴル語教育削減への抗議に強硬姿勢 内モンゴル自治区、登校ボイコットで逮捕も

2020年9月20日 05時50分

内モンゴル自治区赤峰市のモンゴル族が通う民族学校=9月16日


 中国内モンゴル自治区でモンゴル語教育削減への抗議が広がっている問題で、地元当局が抗議に対して強硬姿勢を強めている。少数民族モンゴル族の間で広がった登校ボイコットでは、多くの保護者らが拘束・逮捕された。このうち約50人が拘束された同自治区赤峰市では、ほぼ通常通りの授業が再開されたもようだ。(内モンゴル自治区赤峰市で、中沢穣、写真も)

◆警察車両が待機「問題なく学校再開」

 赤峰市の中学校前では今月中旬、複数の警察車両が待機する中、校内の寮に入るため大きな荷物を抱えた生徒らが保護者らとともに次々に校内に入っていった。近くの住民は「生徒はかなり戻っており、学校が再開したようだ」と話した。
 同市郊外の別の中学でも校庭に多くの生徒の姿があり、学校近くにいた生徒らによると「通常通りの授業が始まった」という。しかし、当局者がすぐにかけつけて記者を尾行し、神経をとがらせている様子がうかがえた。当局者は「学校は問題なく再開した」と強調した。

◆「抗議に参加」少なくとも173人拘束・逮捕

 自治区内の赤峰、フフホト、通遼などの当局がネット上で公表した資料を集計した結果、少なくとも173人が拘束・逮捕された。理由として「抗議活動に参加した」「ネット上で人々を扇動した」など、ネット上での言動を問題視する理由が目立つ。また、抗議活動の参加者らを取り締まるため、ネット上に写真を公表して懸賞金付きで情報提供を呼び掛けている。

中国語とモンゴル語の両方で書かれたスローガン。「民族団結はわが国各民族、人民の生命線だ」とある。モンゴル語は左から右に縦書きされる

 さらに子どもを登校させない保護者には▽遊牧民への補助金停止▽銀行融資の停止▽公務員の場合は解雇―などを警告。生徒には登校しない場合は退学処分を警告しており、すでにシリンホト市で1人が退学になったもようだ。

◆生徒の保護者の思想状態を調査

 モンゴル族の生徒らが通う民族学校ではこれまでモンゴル語を使って授業が行われてきたが、当局は2022年までに「語文(国語)」など3科目を中国語で教える方針を示した。地元紙、内モンゴル日報によると、各行政単位が特別チームをつくり、民族学校の生徒がいる全家庭を訪問して「生徒と保護者の思想状態」などを調べている。
 北京のモンゴル筋によると、モンゴル国内でも内モンゴルの言語問題への批判が高まっており、王毅国務委員兼外相は15日、モンゴルの首都ウランバートルで、エンフタイワン外相と会談し、「相互の主権を尊重し、国内問題に干渉しない」と確認した。中国政府は国内のモンゴル族と、隣国モンゴルが結び付きを強めることを警戒しており、モンゴル政府の介入にクギを刺した形だ。

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