コロナ禍の今と重ねて 関東大震災の混乱と行政対応 睦沢で企画展 当時の公文書10点

2020年9月21日 07時10分

関東大震災に関する史料が並ぶ会場=睦沢町立歴史民俗資料館で

 1923(大正12)年9月1日に起きた関東大震災について、長生郡東村(現在の睦沢町と長南町の一部)の史料が睦沢町立歴史民俗資料館で展示されている。震災後の混乱や行政の対応が分かる内容となっており、同館関係者は「新型コロナウイルスの感染拡大の中、災害が続く今に重なる」と話す。(鈴木みのり)
 展示しているのは、町内の民家から今年五月に寄贈された史料四百三十二点のうち十点。個人宅で保管されていた公文書は珍しいという。
 関東大震災では、東村内各地で山崩れが起き、倒壊した住居は約三十戸に上った。仮住まいで避難生活を送る人もいたという。
 展示されている文書の一つは、当時、全国的に「朝鮮人が暴動を起こした」というデマが広がっており、各区長宛てに朝鮮人に対する警戒を呼び掛ける内容。学芸員の久野一郎さん(64)は、文書に東村の状況が具体的に示されていないことから、国からの文書だと推測。「政府が民衆の間で広がっているデマを信じ、今で言う“リツイート”したのではないか」と話す。

朝鮮人の侵入への警戒を呼び掛ける文書(睦沢町立歴史民俗資料館提供)

 一方、東村役場と東村駐在巡査が、各区長らに感染症への注意を呼び掛けた文書は、冒頭で、避難者が「疲労」と「不摂生」のため感染症に感染しやすいと指摘。「家屋内外ノ掃除ハ勿論飲食器具ノ清潔」「寝冷セサル様注意スル事」など、七項目の励行を呼び掛けており、地方行政機関のきめ細やかな対応がうかがえる。
 企画展では、被災者への義援金の募集状況や日用品の買い占めなどを取り締まる内容の文書を展示している。久野さんは、「困難の中、不安や恐怖に耐える力が求められているのは今も昔も同じ」と指摘。「当時の教訓から何を学ぶべきか、展示を見て考えてほしい」と話している。
 二十七日まで。入場無料。開館時間は午前九時〜午後四時半(月曜休館)。

伝染病への感染防止へ注意を促す文書(睦沢町立歴史民俗資料館提供)


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