<子どものあした>唯一の市立幼稚園、続けて 坂戸市、入園児減で廃園の方針 保護者ら反対の署名活動

2020年9月22日 07時49分

廃園の条例案が審議されている坂戸市立末広幼稚園=坂戸市で

 坂戸市は、市立末広幼稚園(園児数約70人)を2023年3月で廃園にする方針を決め、9月市議会に幼稚園設置条例の廃止案を提出した。昨年10月から国が始めた幼保無償化の影響で、今年4月の入園児が募集60人に対し27人まで減ったためという。一方、保護者らは「ただ一つの市立幼稚園は障害児や経済的不安を抱える家庭の支えになっている」として存続を求める署名運動を続けている。(中里宏)
 廃止案は、八日の市議会総務文教委員会で可決された。保護者らは「六月末まで知らされなかった。広く市民の意見を聴くべきだ」として存続を求める請願を提出したが、不採択の形に。条例案、請願とも二十五日の本会議で採決される。
 末広幼稚園は東武東上線北坂戸駅から約二百メートルの場所に一九七五年、二年保育の幼稚園として開園。北坂戸幼稚園と統合した二〇〇八年には園児が二百三十人以上になった。しかし、少子化とともに園児数も減少。同じく園児減に悩む私立幼稚園でつくる坂戸学校法人立幼稚園協会から一二年と一六年の二回にわたり、末広幼稚園の廃園を求める要望書が市長に提出されていた。
 保護者らは「市民に対する説明は七月に二回あったが、『廃園にかかる意見交換会』のタイトルで最初から廃園ありきだった。署名運動をしていると、知らなかったという声があまりにも多い。市民の声を聴いてから決める姿勢が全くない」と市の周知不足を批判している。
 市教育総務課の担当者は「六月議会の全員協議会で議員に廃止案を九月議会に提出することを報告した。私立幼稚園への障害児入園のための教員加配補助金は、一七年度から県の補助金に上乗せして市独自の補助金を交付している。昨年は末広幼稚園の九人に対し、私立五園に十七人が入園している」と説明している。

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