線状降水帯 関東でも災害の恐れ

2020年9月22日 07時58分
 ここ数年、豪雨のたびに「線状降水帯」という言葉が新聞やテレビで報じられるようになりました。九州地方に大きな被害をもたらした豪雨も、線状降水帯が引き起こしたものです。近年、西日本でたびたび災害を引き起こしていますが、関東でもひとごとではありません。
 豪雨災害を報じるニュースで、猛烈な雨が降っている紫や赤で示された場所が、一定の地域に帯状にとどまっている動画が示されることがあります。これが、「線状降水帯」です。幅は数十キロ、長さは数十〜数百キロに及ぶことがあり、二〇一四年八月の広島豪雨以降、新聞やテレビで見かけるようになった新しい言葉です。
 湿った暖かい風が上昇すると、雨雲が生じます。雲は上空で流されるけれど、湿った風が同じ場所に吹き続けるため次々に雨雲が生まれる、というのが線状降水帯の仕組みです。梅雨明け間近の西日本で発生することが多いのですが、関東地方でもたびたび起きています。
 一五年九月に鬼怒川を氾濫させたのも線状降水帯。関東は二つの台風に挟まれる形となり、南側と東側から湿った空気がぶつかり、次々に雨雲を生み出しました。鬼怒川の上流域に当たる栃木県日光市付近では、平年の九月の倍となる六〇〇ミリの降水量となりました。
 湿った風が上昇するきっかけは山だけではなく、異なる向きの風がぶつかり合うことでも生じますが、前線を「次々に」というのが、線状降水帯の恐ろしいところです。猛烈な雨がやむことなく降りしきると、川の水があふれたり、地盤の弱くなった崖で土砂崩れが起きたりします。線状降水帯は正確に予想することが難しく、気象情報を小まめに確認する必要があります。 (布施谷航)

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