コロナ・インフル同時流行へ厚労省てこ入れ 診療所の検査態勢を支援

2020年9月23日 05時50分

発熱者らの相談・診療・検査の新たな流れ

 新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念される冬場を前に、発熱した患者らが最寄りの医療機関に相談できる仕組みづくりを、厚生労働省が急いでいる。かかりつけ医などの身近な診療所に、コロナの検査キットや感染防止用のマスクなどを配布。検査体制の拡充を支援する。風評被害などに対する医療現場の不安を取り除く取り組みも課題となる。(坂田奈央)

◆1日30万件の外来想定

 「例年よりもインフルエンザ(感染者数)が多くなれば、1日30万件、それ以上の発熱者が外来に来るかもしれない」
 田村憲久厚労相は就任翌日の17日の記者会見で、この冬にコロナとインフルが同時流行する可能性への危機感を強調した。
 現在、発熱患者らに対するコロナ関連の相談は、各地の保健所内などに設けられた「帰国者・接触者相談センター」が受け付ける。症状に応じ、検査や診療が可能な医療機関などにつなぐ仕組みだ。
 ただ、インフルとコロナが同時に流行した場合は、初期症状ではどちらに感染したのか見分けがつきにくく、センターに相談が殺到してパンクしかねない。
 このため、厚労省は発熱患者らが直接、かかりつけ医などに電話で相談、予約した上で、確実に検査や診療を受けられる体制づくりを急ぐ。
 簡易キットで短時間に結果が出る抗原検査を1日約20万件行えるようにし、感染防止用のマスクも医療機関に無償で配布する。PCR検査が可能な医療機関は現在、全国約4000カ所にとどまるが、こうした取り組みで拡充を図る。
 帰国者・接触者相談センターを衣替えして、土日や夜間、受診先を迷う人向けの「受診・相談センター」を新設する。これらの対策を10月中に終える方針だ。

◆地域の診療所「不安なくす対策を」


 問題は、地域の診療所がどこまで対応できるかだ。
 既にPCR検査を実施している池袋大谷クリニック(東京都豊島区)では、コロナ感染の疑いがある患者は、昼休みや診察時間後の夜間に完全予約制で対応。事前に電話で問診を済ませ院内の滞在時間を短くしているが、検査や消毒などで1人に30分程度かかる。他の診療所で断られ、区外から訪れる患者も多い。
 同クリニックの大谷義夫院長は、こうした負担の大きさを踏まえ「すべての医療機関が手を挙げるのは難しいだろう。風評被害への不安もある。不安材料を取り除く対策が重要になる」と話した。

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