国連総会でも「米国第一」主張…トランプ大統領に同盟国も警戒感

2020年9月24日 06時00分
22日、国連総会で放映されたビデオの中で演説するトランプ米大統領=国連提供、AP

22日、国連総会で放映されたビデオの中で演説するトランプ米大統領=国連提供、AP

  • 22日、国連総会で放映されたビデオの中で演説するトランプ米大統領=国連提供、AP
 【ニューヨーク=杉藤貴浩】米ニューヨークの国連本部で22日、国連総会の一般討論が始まり、米国や中国、ロシアなど各国首脳がビデオ演説した。トランプ米大統領は11月の大統領選を強く意識し、新型コロナウイルス対応などで中国を強硬に批判。「米国第一」主義の主張を展開した。中国やイランの反発だけでなく、同盟国からも批判的な声が上がった。
 トランプ氏は、冒頭で新型コロナを「188カ国で無数の命を奪ってきた中国ウイルス」と呼び、名指しで批判を展開。中国が早期に国外への航空便を止めず、世界にウイルスを広げたとして「国連は中国に責任を取らせるべきだ」と強く非難した。脱退を通知した世界保健機関(WHO)についても「中国政府に実質的にコントロールされている」と断言した。
 いずれの発言も大統領選に向け、中国への強硬姿勢を示すことで保守層の支持を固める戦略が透ける。
 一方で、世界最多の感染者と死者を抱える自国の現状や責任には触れず、ワクチン開発への取り組みを強調。一般討論開始前にグテレス国連事務総長が「危機の克服にはさらなる国際協力が必要」と多国間主義の重要性を呼び掛けたが、トランプ氏は「私は誇りを持って米国を第一に考える」と言い切った。
 中東政策に関しては、イスラエルと近隣諸国との相次ぐ国交正常化の動きを「新しい夜明け」と呼び、米国の仲介努力を自賛。ここでも親イスラエルの国内支持層に配慮をにじませた。
 中国の習近平しゅうきんぺい国家主席は「(コロナ問題を)政治化し汚名を着せる試みは拒絶される」と名指しは避けつつ米国をけん制。「われわれは一国主義と保護主義に反対すべきだ」と述べ、国際協調の必要を訴えた。
 米国から国連制裁の復活を一方的に宣言されたイランのロウハニ大統領は、米国で警官が黒人男性の首をひざで押さえ付けて死なせた事件を引き合いに、米国の外交手法を「傲慢ごうまんの足」と批判。同盟国フランスのマクロン大統領も制裁復活が「国連安全保障理事会の結束を弱体化させる」と述べるなど、米国の独走を警戒する声も上がった。

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