コロナ防疫のため!? 北朝鮮が非武装の韓国人を射殺し遺体焼く

2020年9月25日 05時55分

北朝鮮側海域に入り射殺された韓国人が乗っていた船=24日、韓国・延坪島で、聯合・共同

 【ソウル=中村彰宏】韓国国防省は24日、黄海上の南北の軍事境界線である北方限界線(NLL)に近い延坪島よんぴょんど付近の海域で、北朝鮮が韓国人男性を射殺し、遺体を焼却したと明らかにした。韓国大統領府によると、文在寅ムンジェイン大統領は「いかなる理由でも容認することはできない。北朝鮮は責任ある措置をとらなければならない」と非難し、軍に警戒態勢の強化を指示。北朝鮮の対応次第では、南北間の緊張が高まりそうだ。

◆自ら海に飛び込んだ? 北側海域で漂流中の男性

 韓国国防省などによると、男性は海洋水産省で漁業指導を担当する40代の公務員。海上で取り締まりをしていた21日午後に船からいなくなった。22日午後3時半ごろ、北朝鮮の船舶が北側の海域で漂流する男性を発見。海上で事情聴取し、約6時間後に男性を射殺。遺体に油をかけて燃やしたという。
 船内に靴が残っていたことなどから男性は自ら海に飛び込み、北朝鮮に向かったとみられるが、理由や目的は明らかになっていない。
 北朝鮮は、新型コロナウイルスの国内流入に神経をとがらせ、1月末から国境を封鎖するなど防疫を強化。7月にコロナに感染した疑いがある脱北者が北朝鮮に戻った際には、金正恩きむじょんうん朝鮮労働党委員長が防疫対策を徹底するよう指示した。韓国国防省は、男性を射殺し遺体を燃やしたのも防疫のためとみている。

◆韓国大統領府は非難 南北間に緊張

 一方で、北朝鮮は6月に開城けそんの南北連絡事務所を爆破するなど韓国に対する強硬姿勢を強めている。文氏が打ち出した南北融和策は進んでおらず、韓国の北朝鮮専門家からは「コロナの防疫と同時に、韓国に対する不満を表したのではないか」との見方も出ている。
 韓国大統領府は24日、国家安全保障会議(NSC)を開催。徐柱錫ソジュソクNSC事務局長は会見で「武装もせず抵抗の意思もない韓国国民を射殺し遺体を傷つけたことは、いかなる理由でも正当化できない」と述べた。

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