安倍政権のツケ回収のため!? 地上イージス代わりに洋上案採用へ

2020年9月25日 05時55分
 防衛省は24日、配備を撤回した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替案として、レーダーや発射装置を洋上で運用する方針を決め、自民、公明両党に説明した。護衛艦や民間船舶の活用を検討するが、コストや自衛官の負担増大の課題は未解決のまま。政府が配備撤回後、米国との調達契約を継続していることも判明し、安倍前政権による拙速な米国製兵器の購入のツケが回っている。

◆防衛省から与党へ3案提示

 防衛省が提示した案は①弾道ミサイル迎撃に特化した専用艦を含む護衛艦の利用②民間船舶の活用③石油採掘装置のような「海上リグ」の利用|の3つ。岸信夫防衛相は自民党会合で「米国や事業者を交えて、速やかに検討を進めたい」と述べ、党国防部会などは洋上運用の方針を了承。政府は今後、具体案を絞り込み、2021年度予算案に必要経費を計上する方針だ。
 防衛省は現段階で3案のコストを明らかにしていないが、船や海上リグに搭載すれば追加建造費がかかるのは確実。米国との地上イージスの調達契約も継続しており、防衛省幹部は「契約しているものを可能な限り有効活用したい」と説明するが、洋上転用の改修費でコストはさらに膨らむ。防衛相経験者は「違約金の発生を恐れ、購入済みの地上イージスを無理に利用しようとしているのではないか」と政府対応に疑念を抱く。

◆技術・コスト面の課題は残ったまま

 地上イージスは海自の負担軽減を名目に導入を決めたが、ミサイル推進装置(ブースター)が住宅地に落下しないようにする改修コストが高額であることを理由に撤回した。防衛省当局者は「3案ともコストや負担を軽減できない点では同じで、残された課題が解決されない」と認める。
 陸上用に開発された地上イージスを洋上で運用するのは初の試みで、自民党会合では「技術面で米国と連携できているのか」との懸念も上がった。防衛省は「米国と緊密にやりとりしている」とするが、地上イージスでは米国との調整の不手際で配備撤回という異例の事態を招いたばかりで不安は拭えない。(上野実輝彦)

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