「ガスの点検で来ました」…でも不用意に玄関ドアを開けないで! 東京・神奈川・千葉で強盗9件

2020年9月26日 13時50分
 ガスの点検を装い、高齢者が暮らす住宅に押し入る強盗事件が首都圏で相次いでいる。東京都内と神奈川、千葉両県内で8月下旬以降、少なくとも9件発生。警視庁などは、事前に資産状況を電話で尋ねてから強盗に入るアポ電(アポイントメント電話)強盗グループが関与しているとみて捜査している。(奥村圭吾、土屋晴康、山口登史)

ガス点検を装った男2人が押し入った都営住宅で捜査する警視庁の捜査員=東京都足立区=足立区で

 捜査関係者によると、グループは、ツイッター上で「闇バイト」などとうたって実行犯を募集。複数の実行犯グループが関与しているとみられる。これまでのアポ電強盗は深夜に窓などを破って押し入る手荒な手口が目立ったが、ガスの点検を装う手口は侵入時に物音がしないため、周囲に犯行が発覚しにくい点に目を付けた可能性がある。
 同庁や神奈川、千葉両県警によると、被害者は50~90代。9件のうち5件で男女5人が暴行され、顔や手首に軽いけがを負った。7件で数万~30万円やキャッシュカードが奪われ、川崎市多摩区の事件ではキャッシュカードから50万円が引き出されていた。
 
 同庁によると、今月22日午後5時ごろ、東京都世田谷区上用賀6の80代夫婦宅のチャイムが鳴った。妻が玄関を開けると、20代と50代くらいの男が「ガスの点検で来ました」と言って、身分証を見せず室内に入ってきたという。
 妻は信用し、2人を台所に案内。2人はしばらく室内を点検するそぶりを見せたが、すぐに妻と別室にいた夫の手足を粘着テープで縛り、5万円入りの財布などを奪って逃げた。約20分後に自力でテープを外した夫が、手首に軽いけがを負いながら110番した。
 8月20日に千葉県松戸市で起きた事件では、同県警が今月、いずれも20代の実行犯と指示役の男2人を強盗致傷容疑などで逮捕し、他の事件との関連を調べている。
 高齢の夫婦らを狙って手荒に金品を奪う卑劣な犯行の広がりを受け、警視庁などは警戒を強めるとともに「見知らぬ不審者に対し、不用意に玄関ドアを開けないでほしい」と注意を呼び掛けている。

◆東京ガスが呼びかけ「事前告知や身分証確認を」

 東京、神奈川、千葉でガス点検を装った強盗事件が相次いでいることを受け、東京ガスは「弊社関連会社の社員が告知なしで突然、自宅を訪問し、室内に上がり込むことは絶対にあり得ない」と注意を呼び掛けている。
 東京ガスによると、グループ会社の社員が設備の保安点検で室内に入るケースはあるが、必ず1、2週間前にチラシで訪問予定日や時間帯などを知らせている。
 東京ガスは点検業務に携わるグループ会社の社員に身分証の携帯を義務付けている。東京ガス広報部は「訪問を受けたら身分証の提示を求め、少しでも不審に思った場合は、お客さまセンターに連絡してほしい」と話している。問い合わせは、東京ガスお客さまセンター=0570(002)211=へ。

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