東大学長選が大混乱 「プロセスが信用失っている」、教員有志が大学に質問状

2020年9月27日 05時50分
 東京大の来年度からの学長(総長)を決める選考会議で「選考プロセスの透明性や公平性に疑義がある」として、教員有志6人が大学側に公開質問状を出した。5人まで選べる最終候補者が理系の男性ばかり3人とされたことや、氏名が30日の学内投票終了まで外部には非公表となっていることなどを問題視している。(神谷円香)

教員有志が質問状とその回答を載せているホームページ

 現在の五神真ごのかみまこと学長の任期は来年3月まで。小宮山宏元学長を議長に、16人による選考会議を進めてきた。1次候補者は学内での投票などで10人程度が集まり、最終候補者の3人を9月7日に選び、学内にのみ通知された。前回6年前の選考では、最終候補者は大学のホームページ(HP)で発表された。
 有志は16日に質問状を出し、最終候補者が工学系2人、医学系1人となった点を指摘。前回の最終候補は5人で文系、女性もいたことから「総合大学としての観点から見て著しく多様性を欠き、投票の選択肢を過度に狭める」とした。
 有志代表の総合文化研究科の田中純教授らによると、学内の代議員による1次候補者選挙で1位の候補者が、最終候補を決める会議でも評価は高かったのに残らなかったという。田中教授は「3人にするために投票を繰り返したとも聞く。選考はプロセス自体の信用を失っている」と話す。
 小宮山議長からは23日に「学外の意見等を取り入れる環境に対応することはないと判断し、現時点での学外への公表を控えた」などと回答があった。田中教授は「まったく満足していない」と再質問。過去の選考では公表されていない1次候補者についても、「選定過程に対する深い疑義」から公表も求めた。
 学生が編集する東京大学新聞も経緯を細かく報じている。教養学部2年の中野快紀よしき編集長は「僕らも大学の運営や民主主義の担い手。学内でちゃんとした議論をする土台をつくるのが使命であり責任がある」と話す。
 東大広報課は「選考は定められたルール・プロセスで審議を続けているところです。次期学長予定者決定後の記者会見で、選考結果・選考理由・選考過程については公表予定です」としている。
 公開質問状と回答は「2020東京大学総長選考を考える」のHPで閲覧可能。東大新聞もオンラインで見られる。次期学長予定者は10月2日に発表され、最終候補者の氏名も公表される予定。

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