106年ぶり偉業なるか 江戸川区出身の翔猿、新入幕で優勝の可能性残し千秋楽に 

2020年9月27日 05時50分
貴景勝に敗れ厳しい表情で土俵を後にする翔猿=26日、両国国技館で

貴景勝に敗れ厳しい表情で土俵を後にする翔猿=26日、両国国技館で

 東京都墨田区の両国国技館で26日に行われた大相撲秋場所14日目、新入幕の翔猿とびざる(本名岩崎正也、東京都江戸川区出身、追手風部屋)は大関貴景勝に敗れたが、初優勝の可能性を残して千秋楽を迎える。関脇正代しょうだいに勝てば優勝決定戦へ。新入幕で優勝すれば大正時代の1914年夏場所の両国以来、106年ぶり。その大躍進の理由とは。
 「(優勝は)できるなんて思っていない。チャレンジャーの気持ちでやっている」。翔猿は毎日のように話した。気負いを感じさせず重圧もない精神状態で臨めているのが、白星を重ねる1つの要因と言えそうだ。
 新入幕力士は初顔合わせの対戦が多く、対策も練られていないため、意外と活躍する。近年では逸ノ城いちのじょうが新入幕で13勝して優勝争いに加わった。身長175センチ、体重131キロの翔猿のように体が小さく俊敏なタイプは、初対戦で相手の方が苦労する。同じ小兵の石浦いしうらは新入幕場所で10勝、炎鵬えんほうも終盤に連敗して負け越しはしたが9日目まで7勝2敗と奮闘した。
 「28歳で、若くして上がったわけじゃない」と指摘するのは、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)。20歳前後の力士が浮足立つことはよくあるが、翔猿は十両までに2年半、十両でも3年を過ごし、実力をつけつつ精神的にも成長した。名門の埼玉栄高、日大の出身。学生の大会は1度負けたら終わりのトーナメント制がほとんど。八角理事長は「ここ1番という所での力の出し方も知っているのかな」と分析する。
 1914年の夏場所、新入幕で前頭14枚目だった両国は9勝1休で優勝した。やぐら投げや内掛けなど、派手な技を得意としていたという。翔猿も素早い身のこなしと動きの良さで、ファンを楽しませる。1世紀の時を経て快挙は達成されるか。(平松功嗣)

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