菅首相、福島第一原発を視察 処理水処分の時期は示さず

2020年9月27日 06時00分
 菅義偉首相は26日、就任後初の地方視察で福島県を訪れた。東京電力福島第一原発(大熊町、双葉町)では、増え続ける処理水をためるタンクなどを車で見て回った。懸案となっている処理水の処分方針については「できるだけ早く決めたい」と話すにとどめ、見通しは示さなかった。(井上峻輔)

首相就任後初めての出張で福島県を訪問し、福島第1原発を視察する菅首相。奥は3号機=26日午後(代表撮影)

◆震災復興方針「全閣僚に指示」と釈明

 首相は福島第一原発の1~4号機を見渡す高台で、処理水のサンプルが入った容器を手にしながら、東電職員から説明を聞いた。
 処理水は、原発事故で発生した汚染水を浄化したもので、除去しきれない放射性物質トリチウムを含む。タンクは2022年夏ごろに原発構内の保管容量が限界を迎えるが、処分方法が決まっていない。海へ放出する案がある一方、反対意見も根強い。
 首相は一連の視察後、処理方法について「どう関係者の同意を目指すか」と記者団に問われ「政府の責任の下に丁寧に説明する中で方針を決めていきたい」と答えた。
 菅内閣が16日の初閣議で決定した内閣の基本方針に東日本大震災や福島第一原発事故に関する記述がなかったことについては「全閣僚に渡した指示書にしっかり書き込んでいる」と釈明した。「福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし。これが私の基本方針だ」と強調した。
 首相は、今月開館したばかりの「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)も訪れた。視察を遠巻きに見ていた同県石川町の無職近内光裕さん(69)は本紙の取材に「水の問題が一番気になる。風評被害が出てこないための対策をしてほしい」と話した。

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