<国吉好弘の埼たまNOW>レッズ8位で折り返し 思い切った補強も必要

2020年9月27日 07時41分

6点を失って完敗した名古屋戦=8月8日、豊田スタジアムで

 J1リーグは20日で第17節を終了、日程の半分を終えた。23日の第18節から後半戦に突入している。
 浦和レッズは前半戦を8勝3引き分け6敗、勝ち点27、18チーム中8位で折り返した。上位を狙える位置にはいるが、首位を独走する川崎フロンターレとは勝ち点の差が20ポイントもついており、現実的に優勝は難しい。しかし、シーズン前に土田尚史スポーツダイレクター(SD)が掲げた3年計画の1年目の目標であるACL出場圏内の3位は手が届く範囲と言える。
 とはいえ、後半戦でよほど良い成績を挙げなければ順位を覆すことはできない。前半戦のレッズは、得点が24と18チーム中9位だが、失点も31と多く、少なさ順で13位。勝つ時は接戦をものにできるが、負けた試合は柏レイソルに0−4、名古屋グランパスに2−6、セレッソ大阪に0−3など大量点を奪われての完敗が目につく。
 大槻毅監督が今季取り入れた4−4−2システムのコンパクトな布陣が機能しているときは安定した守備を見せるが、先に失点するなどして攻守のバランスが崩れると、守備が乱れてしまう。攻撃を焦って前に出ようとすると、ミスが出て相手に奪われカウンターで失点する。特にリードされた時に中盤で落ち着いてボールを動かせない。
 今季レギュラーに定着した感のあるMF柴戸海のボール奪取能力は高く、貢献しているが、中盤でボールを落ち着かせる選手が欲しい。現状では青木拓矢に期待がかかり、長沢和輝、柏木陽介も候補だが、やや守備に問題があり、それぞれ一長一短の感は否めない。
 やはりここが重要な補強ポイントで、例えばスペインでプレーする柴崎岳(レガネス)や、外国人なら鹿島アントラーズのレオ・シルバのように落ち着いてボールを動かせる選手が欲しい。2人とも獲得は現実的ではないだろうが、上位、さらに来季には優勝を狙うチームであれば、このクラスの選手が必要だ。2006年にリーグを制した時には中盤にポンテ、前線にワシントンという大ゴマを擁した。Jを代表する存在になることを目指すレッズであれば、思い切った補強も必要だろう。
 現状では手堅いサッカーで勝ち点を拾えても、主導権を握って勝ち切ることは難しい。土田SDは「浦和らしいサッカーとは何かと考えると、攻撃的でなければならない、2点取られても3点取る、勝つために、またゴールを奪うために一番効果的なプレーを選択すること」とも語っており、実現のためには中盤でのボール支配率を上げなければならない。
 ポジティブな点は、新加入の外国人選手、FWレオナルドとDFトーマス・デンが良いプレーを見せ、補強が成功していること。2人の台頭でDFマウリシオ、FWファブリシオが押し出されチームを去る格好となったが、メンバー構成の新陳代謝として良かった。
 あとは日本人の若手の成長が望まれる。この点に関して大槻監督は慎重に映る。武田英寿や伊藤涼太郎らにもっとチャンスを与えてもよいのではないか。コロナ禍でハードスケジュール、5人交代制となり、他チームで次々に若い選手が台頭しているのを見ると、物足りなさは否定できない。若手が育たなければ3年計画は成り立たないだろう。
 課題は少なくないが、Jのトップクラブであるべきだという気概を持ち、現場もフロントもさらに前向きに取り組んでもらいたい。 (サッカージャーナリスト)

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