JCO臨界事故を語り継ぐ 水戸で集会 東海第二の再稼働阻止も決意

2020年9月27日 07時45分

両親が被ばくしたJCO臨界事故について報告する大泉さん=水戸市で

 東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」で、二十一年前に起きた臨界事故を語り継ぐ集会が二十六日、水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館であった。約百五十人が事故の教訓に改めて向き合うとともに、日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働阻止にも決意を新たにした。 (宮尾幹成)
 冒頭、事故の犠牲になった作業員二人や、被ばくの後遺症に苦しみながら亡くなった被害者らに黙祷(もくとう)をささげた。
 JCOの近くで自動車部品工場を経営していた両親が被ばくした、ノンフィクションライターの大泉実成(みつなり)さんは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された母親や、JCOとの裁判闘争について報告。後に東京電力福島第一原発事故の被害者を取材した経験にも触れ「原子力の見えない恐怖が、いかに人の心を圧迫するか、改めて感じている」と振り返った。
 元原子炉格納容器設計技術者の後藤政志さんは、東海第二原発の再稼働問題をテーマに講演。東海第二では支持構造の弱い原子炉に地震で転倒する恐れがあることや、格納容器が小さい型のため、過酷事故時に水素爆発に至るリスクが高いことを指摘し「大規模事故の危険性を分かっていながら再稼働を容認するのは、未必の故意だ」と訴えた。
 事故は一九九九年九月三十日、JCO東海事業所の転換試験棟で発生。ウラン溶液を混ぜて均一化する作業を効率よく行おうと、法令の制限量の七倍を沈殿槽に投入したところ、核分裂反応が持続する臨界に。作業員二人が急性放射線障害で死亡し、一人が重症。近隣住民ら六百六十七人が被ばくした。臨界の収束には約二十時間を要した。
 製品のウラン溶液は、核燃料サイクル開発機構(現・日本原子力研究開発機構)の高速増殖実験炉「常陽」(大洗町)で用いるMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の原料として納入予定だった。
 この日の集会は、臨界事故を語り継ぐ会、茨城平和擁護県民会議、原水爆禁止日本国民会議、原子力資料情報室、東海第二原発差止訴訟団が主催。山田修東海村長ら県内三十六市町村長がメッセージを寄せた。

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