コロナで観光客が消えた韓国・明洞「どうすることも…」 屋台消え、空き店舗急増

2020年9月28日 10時50分

空き店舗が目立つ明洞の路地

 韓国を代表する繁華街のソウル・明洞ミョンドンで、新型コロナウイルスによる経済への影響が深刻になっている。外国人観光客の減少で、小売店や飲食店の売り上げが急減。空き店舗も目立つようになり、店主からは「コロナが終わるまで何とか耐えるしかない」との声が聞こえてくる。(ソウル・中村彰宏、写真も)

◆廃業、空き店舗…「歴史上初めての事態」

 9月中旬、本来なら多くの買い物客や観光客でにぎわう週末の午後も、明洞は閑散としていた。ずらりと並んでいた屋台の姿もない。家族連れで買い物に訪れたソウル市内の40代女性は「久しぶりに来たが、こんなに人がいない明洞は見たことがない。閉まっている店も多く、寂しい感じがする」と話した。
 細い路地に入ると、ほとんどの店が閉まっている地域もある。地主らでつくる明洞特区協議会によると、全体でテナントの約4割が店を畳んだという。明洞は家賃の相場も高く、月3000万ウォン(約270万円)以上する店も少なくない。家賃を半額にするところもあるが、人件費や維持費の負担も重く、歯止めがかからないという。
 日本統治時代から繁華街として栄え、朝鮮戦争後の再開発を経て韓国を代表する観光地になった明洞。「屋台も多くが廃業した。こんな事態は明洞の歴史でも初めてだろう」。協議会関係者はため息をつく。

◆観光客が壊滅的減少、支援金も「足しにならない」

9月中旬、週末にもかかわらず閑散とする明洞。屋台の姿もない

 明洞は、売り上げの多くを日本や中国、東南アジアをはじめ海外からの観光客に頼っている。ソウル市の統計では、今年1~6月に訪韓した海外の観光客数は前年比75%減。6月だけを見ると98%減で、コロナの感染が拡大し、海外からの航空便が減便となった3月以降は、ほとんどいないのが実情だ。
 韓国では2015年にも中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの流行で消費が打撃を受けたが、半年ほどで収束した。フィギュアなどキャラクターグッズ店を30年近く営む男性は「コロナの前と比べると売り上げは95%以上減った。MERSの時とは比べものにならない」。韓国政府は小規模の自営業者らに100万ウォンを支給するなどの対策を講じるが、男性店主は「100万ウォンでは何の足しにもならない。新しい商売を始めるにもお金がかかる。どうすることもできない」と嘆く。
 取材に訪れた夕方、化粧品店の女性店員にその日の売り上げを尋ねると「2万3000ウォン」と教えてくれた。そのうち3000ウォンは自分で買ったものだという。
 「売り上げがゼロの日もある。これでは店の家賃も払えない。コロナが長引けば、店を閉めなければいけないかもしれない」

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