「来春、想像できない」聖火リレー、コロナ対策は先送り 

2020年9月29日 05時50分
東京五輪の聖火リレーのトーチ

東京五輪の聖火リレーのトーチ

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は28日、延期された聖火リレーの日程など概要を発表したが、新型コロナウイルス対策は「来春の状況を想像できない」と先送りした。1年越しに走る予定のランナーは「徹底した対策を」と求める。
 「地元にコロナで職を失った人もいる。聖火リレーに批判が起きないだろうか」。延期決定前にランナーに選ばれていた福島県田村市の会社役員坪倉新治さん(56)は、この日の発表に「ほっとした」と話しつつ、不安も口にした。
 全国に祝祭ムードを広げるために計画されたリレーは大規模。沿道や関連イベント、ランナーの控室などで「密」になりがちだ。坪倉さんは「ランナー全員がPCR検査を受けるなど、不安を解消する対策を取ってほしい」と要望した。
 具体的な対策が決まっていない段階での日程発表について、組織委の広報担当者は「自治体の準備期間が必要だし、ランナーに早く来年の開催を伝えないといけない」と理解を求めた。
 今春、組織委は聖火リレーを強行するため、関連イベントの廃止や沿道の観覧自粛要請など計画を次々変更。ランナー抜きで、ランタンを載せた車でコースを通る「奇策」まで検討した。3月24日の延期決定は、福島県から聖火リレーが始まる2日前だった。
 コロナ禍で世界が一変した現在、聖火は日本オリンピックミュージアム(東京都新宿区)で展示され、出番を待つ。組織委は「感染症を乗り越えた先にある人類の希望を、全世界の人々に示していく」と新たにリレーの意義を掲げたが、コロナ禍以前と同じ計画で全国を巡れるかどうかは不透明だ。(原田遼)

PR情報

社会の新着

記事一覧