「鏡積み」技法解明に期待 佐野市の国史跡・唐沢山城跡 石垣調査始まる

2020年9月29日 07時42分

石垣を調査する北野博司教授ら=佐野市で

 佐野市富士町の国指定史跡「唐沢山城跡」に残る石垣の調査が二十八日、始まった。崩落防止のための修復工事に合わせ、詳細な調査も同時に行われる。石垣は四百年以上前の織豊時代の作。形や大きさが異なる石を隙間なく積み上げる高度な「鏡積(かがみづ)み」技法の解明が進むと期待される。(梅村武史)
 県、市の文化財担当者とともにこの日、現地調査した東北芸術工科大歴史遺産学科の北野博司教授(61)は「織豊期の鏡積みで大きな修復がなく、建設時の状態を維持している。当時の石工による最高技術が解明できる貴重な機会になる」と語った。
 現在、唐沢山神社の社殿がある唐沢山山頂に唐沢山城の本丸があった。その西に隣接する石垣が今回の調査対象となる。
 石垣は高さ二・五メートル、奥行き八メートル。堆積岩の一種「チャート(角岩)」が使われている。
 直径数十センチから一・五メートル超の巨石まで綿密な計算で積み重ねて安定が保たれ、表面は極力平面になるよう工夫されている。本丸を守る最終防衛線で権力の象徴でもあった石垣には高度な技術が盛り込まれたとみられる。
 石垣の上にあるサクラやモミジの巨木が根を張り、積まれた石を押し出した。
 このため、樹木を伐採して石垣の内部を修復することになった。危険な石を重機で八個ほど取り除き、内部の石を整えて元に戻す。その行程の中で調査も行う。
 修復事業は来年度までの二カ年で国と市で計約二千万円を負担。市教委の山口明良(あきよし)文化財課長は「史跡指定後初の本格的な調査になる。文化財的価値を解明し、後世に伝えていきたい」と話した。

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