セクハラ 前橋市元職員に有罪 地裁判決「犯行は大胆で悪質」

2019年6月29日 02時00分
 前橋市のそれぞれ退職した女性嘱託職員が男性管理職にセクハラ被害を受け、男性が強制わいせつ罪で起訴された事件の判決公判が二十八日、前橋地裁で開かれた。水上周(あまね)裁判官は「多数の部下がいる中での犯行は大胆で悪質。他方、前科前歴がないなどの事情もある」と述べ、懲役六カ月、執行猶予三年の有罪判決を言い渡した。女性は取材に「納得いかない。判決文にある『着衣の上からで比較的軽微』という言葉に傷ついた」と打ち明けた。 (菅原洋、市川勘太郎)
 判決によると、二〇一六年末に市内の居酒屋であった職場の忘年会で、飲酒した男性が座っていた女性の背後に密着し、両手でそれぞれ女性の両胸をつかんで持ち上げたとされる。
 水上裁判官は量刑理由として「被害者が受けた身体的、精神的苦痛は大きく、生じた結果は軽視できない。他方、被害者と示談が成立し、市役所を退職するなど社会的制裁を受けている」と指摘した。
 閉廷後、女性は「判決文の『着衣の上で軽微』という言葉に、男性の裁判官には女性の気持ちは分かってもらえないと感じた。私は何度となく当時の記憶がよみがえり、心が晴れず、ずっと心の傷は消えないと思う。できれば控訴してほしい」と訴えた。
 その上で「私の件で裁判官、検察官、被告の弁護士とも女性がいないのはおかしい。男性社会の目線だけでは、女性被害者の立場を理解するのは難しいのでは。このような社会でセクハラを訴えても、自分がさらに傷つくことになると分かった」と振り返った。
 男性の弁護士は取材に、控訴について「これから検討する」と述べた。

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