浅草、銀座、秋葉原、歌舞伎町…再起への道探る コロナで地価大幅下落

2020年9月30日 06時00分

地価の下落率がワースト4位のビックカメラAKIBA=29日、東京都千代田区で


 29日発表された東京都内の基準地価には、コロナ禍で都内の観光地や繁華街から客足が遠のいた影響が明確に表れた。特に下落幅が大きかった浅草(台東区)や銀座(中央区)、歌舞伎町(新宿区)などでは、終わりの見えない不安の一方、現状を打破しようと前を向く声も聞かれた。

◆浅草

 今年1~7月の地価下落率が約11%と都内で最も大きかった西浅草2丁目。「浅草では開業すらできずに断念したホテルもいくつかある」と浅草観光連盟の冨士滋美会長(72)が明かす。
 今夏の予定だった東京五輪開催、インバウンド(訪日外国人客)などを見込んだホテル建設ラッシュは、コロナ禍で急ブレーキ。経営が行き詰まり、人影のない外国人客向けの低価格ホテルも目立つ。
 最近は日本人客が増えたが、観光客の数は以前の5割ほどという。それでも、事業者らで感染防止策を検討するなどしているといい、冨士会長は「コロナに負けず、知恵を出し合って安心して観光できる街づくりをしていきたい」と話す。

◆銀座・秋葉原

 年間の下落率が約6%だった銀座7丁目の基準地に近い飲食店街「銀座コリドー街」は閉店が相次ぎ、都の営業時短要請が終了後も、客足は戻らない。テナント管理会社「銀座コリドー」渉外部長の若月佑介さんは「家賃の減免措置を取ってはいるが、いつまでも続けられない。早く事態が落ち着いてほしい」と嘆く。
 インバウンド需要でにぎわっていた秋葉原でも、千代田区外神田で5%下落した。「業態によって明暗が生まれた」と、NPO法人秋葉原観光推進協会の泉登美雄理事長。外国人や「一見」の観光客は減ったが、アニメなどサブカルチャーのファンは安定的に街を訪れる。「常連客を増やすことが必要。バーチャル空間でのイベントなどで、新たな客層を呼び込みたい」
 家電量販店「オノデン」社長で秋葉原電気街振興会の小野一志会長も「コロナはいずれ収束するが、人口減少と高齢化で厳しい状況は続く。海外の人たちを気持ち良く迎えるためにどうすればいいか、今こそ考えるときだ」と話した。

◆歌舞伎町

 6月以降、感染が拡大した歌舞伎町も地価が大きく下がった。街頭でネットカフェを宣伝していた男性(37)は「他の街と比べても人出は戻っていない。地価が下がったのもうなずける」。
 シャッターを閉めた飲食店やテナント募集の広告が目立つ。ゲストハウスのオーナー女性(48)は「地価というより、前が見えない。不安です」と声を落とす。ゲストハウスの稼働率は以前の85%以上から約5%に下がっているという。
 新宿社交料理飲食業連合会の根本二郎会長(72)は「閉店を決めた店が増えている。地価が上がる要素はない」とため息。だが、歌舞伎町での感染は減っており「この街をもう一度、取り戻したい」と前を見据えた。(小野沢健太、浅田晃弘、中村真暁)

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