前橋・高2死亡 父親が交代求めた委員 いじめ対策委 審議は辞退

2019年6月28日 02時00分
 前橋市の県立勢多農林高二年だった伊藤有紀さん=当時(17)=が二月に自殺したとみられる問題で、県教育委員会が有識者らに委嘱した県いじめ問題等対策委員会の横田正夫委員(日本大教授・臨床心理士)が、有紀さんの父親(63)が公平と中立の観点から委員を交代するように求めているため、審議への辞退届を提出して受理されたことが分かった。有紀さんの審議からは外れるが、委員は続ける。二十六日夜に開かれた三回目の対策委で決まった。(菅原洋)
 父親は取材に「辞退したのはいいが、今回の件を機に残る委員たちが公平と中立を徹底してもらうのが重要だ」と強調した。
 父親は五人いる委員のうち、横田委員が桐生市で二〇一〇年に小学六年の女子児童が自殺した問題で、調査委の委員を務めたことを問題視。その際の報告書はいじめが自殺原因の一つと認めながらも、両親から聞き取りせずに「家庭環境などの要因も加わった」と指摘し、両親が当時強く反発した経緯がある。
 有紀さんの父親は「両親に話を聞いていないのに、どうして家庭環境も指摘できるのか」と疑問を呈し、県教委に書面や口頭で横田委員の交代を求めていた。
 父親は、他の委員たちが対策委の委員や県の別の審議会などの委員を長年務め、報酬を得てきたことも、公平と中立の観点から疑問視している。
 二十六日夜に記者会見した県教委によると、横田委員は二十五日付で「一身上の理由」と付記して辞退届を提出し、二十六日の対策委は欠席。横田委員は県教委に、辞退理由について父親の意向を考慮したとの趣旨を説明したという。横田委員は取材に「ノーコメント」と回答した。
 県教委は来月に予定する次回の対策委までに、横田委員の専門である臨床心理などの分野の専門家から委員を選ぶ見通し。
 文部科学省の子どもの自殺に関する指針は、有識者らによる調査の公平・中立性などに対する遺族の要望を「十分に配慮する必要がある」と求めている。

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