中国、開発中ワクチンを35万人超に投与 専門家は副作用懸念

2020年9月30日 06時00分
 【北京=坪井千隼】中国で臨床試験段階にある新型コロナウイルスのワクチン接種が「緊急使用」の名目で大規模に行われている。北京日報などによると、医療関係者に加え国外赴任や留学予定の35万を超える人が投与を受けた。「目立った副作用はない」と話す接種者もいるが、専門家からは「慎重に判断すべきだ」との声が上がっている。

29日、北京のシノファーム関連施設前で、新型コロナのワクチン接種のため集まった人々=坪井千隼撮影


 「感染が深刻なイラクに赴任するので母が心配していたけど、ワクチンで少しは安心させられる」。29日、北京郊外にある国有医薬会社「中国医薬集団(シノファーム)」の関連施設。同社のワクチン接種を終えた石油開発会社技師、うんほうさん(30)は、ほっとした表情で語った。
 接種リスクについて李さんは「多くの同僚が接種したが、副作用の話は聞かない。臨床試験は終わりに近いと聞くし大丈夫だろう」と意に介さない。
 この日、2回目の接種を終えた日本に留学予定の男性(25)は「1回目の接種のときは少し熱が出たけどすぐに下がった。(ワクチンを)打たないよりはましだ」と語る。同社のワクチンは1人2回接種が必要。この施設では、連日数百人が投与を受けているという。
 中国科学技術省の発表によると、中国で開発中のワクチンのうち11種類が臨床試験に進み、うち4種類で最後の第3段階試験を行う。一方で中国政府は臨床試験中のワクチンも例外的に緊急使用を認めており、感染リスクが高い医療関係者のほか国外赴任や留学の予定者を対象とした。
 本来、ワクチンの安全性や効果を見極める臨床試験段階での投与許可は異例で、認めた国は中国やロシアなど少数。世界保健機関(WHO)は「有害な事象を見逃す可能性がある」として警戒を呼びかけている。

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