県内基準地価 住宅地、商業地6割が下落 コロナ禍で土地取引停滞

2020年9月30日 07時43分
 県は二十九日、七月一日時点の県内の基準地価を発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う四月の緊急事態宣言以降、土地取引が停滞。先行き不安から価格も抑制され、変動率の上昇地点は住宅地が前回の二百五十から百七、商業地は同七十九から三十四、工業地は同四十二から二十八に、いずれも減少した。特に住宅地と商業地は約六割の地点で下落した。(飯田樹与)
 住宅地の平均変動率は前年度比0・3%減で、三年連続の上昇から下落に転じた。外出自粛で土地取引が滞ったためとみられるという。ただ、コロナ禍でも通勤通学の利便性が高い都内近接地点の上昇傾向は継続。前回より上昇幅は縮小したが、変動率の上位三地点はJR川口駅周辺の3・4〜5・2%だった。
 市町村別では、平均変動率が上昇した自治体はさいたま、川口、戸田など六市にとどまり、前回より二十一減った。
 商業地の平均変動率は前回まで六年連続で上昇していたが、今回は横ばいだった。店舗利用が停滞するなどコロナの影響を受けた一方で、JR京浜東北線駅周辺では事務所などのオフィス需要が根強くあり、上昇傾向が続いた。変動率の上位三地点はJR浦和、大宮の両駅周辺だった。
 工業地は、平均変動率の上昇幅は縮小したものの、前年度比1・3%増で七年連続の上昇となった。コロナ禍でネット通販の利用が増え、物流倉庫の需要が高まった。特に春日部や杉戸、川口など、都心に近い国道16号沿いの地点で変動率が高かった。
 調査期間は昨年七月一日〜今年七月一日で、新型コロナの影響は後半から現れた。今後も影響が続くとみられ、調査の代表幹事を務めた不動産鑑定士の三田和巳さん(56)は「地価が上がる要因は考えられない」と厳しい見方を示した。
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 今回の地価調査は県内八百三十二地点(住宅地六百五十、商業地百三十六、工業地四十三、林地三)で行われた。

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