正代、大関に昇進「至誠一貫の精神で」 東京農業大出身で2人目
2020年9月30日 10時57分
日本相撲協会は30日、東京都墨田区の両国国技館で11月場所(11月8日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、東関脇正代 (28)=本名正代直也、熊本県出身、時津風部屋=の大関昇進を満場一致で正式に決めた。
協会は墨田区の時津風部屋に鏡山理事(元関脇多賀竜)と立川審判委員(元関脇土佐ノ海)による使者を派遣し、昇進を伝達。正代は伝達式の口上で「大関の名に恥じぬよう、至誠一貫の精神で相撲道にまい進してまいります」と述べた。
記者会見では「ほっとしている。負けられない地位。いろいろな責任を伴うので、今まで以上に精進していく」と緊張気味に話し、口上については「相撲道に対して、誠実で最後まで貫き通すという気持ちを込めた」と思いを語った。新大関の誕生は3月の春場所後の朝乃山以来で、11月場所は2横綱3大関となる。
元学生横綱の正代は秋場所で13勝2敗の成績で初優勝。直近3場所の勝利数が昇進目安とされる33勝に届かない32勝だったが、安定感や前に出る取り口を評価された。
28歳10カ月での大関昇進は、年6場所制となった1958年以降に初土俵を踏んだ力士で7番目の年長。熊本県出身では62年夏場所後の栃光以来58年ぶりで、時津風部屋からは63年初場所後の豊山以来5人目、東京農業大出身でも豊山以来で2人目の大関となる。(共同)
◆真っすぐで真摯な相撲が持ち味「誠実に最後まで」
大相撲で「大関正代」が誕生した。看板力士となった28歳は、緊張の面持ちで伝達式に臨み、続く記者会見では落ち着いた笑顔で喜びを語った。
「大関の名に恥じぬよう至誠一貫の精神で相撲道にまい進してまいります」。日本相撲協会から派遣された使者の鏡山親方(元関脇多賀竜)から、満場一致で大関昇進が決まったことを告げられると、正代はよどみない口上で決意を表した。
前日にも話していた通り、四字熟語を使った。「至誠一貫」を用いた理由を問われ「相撲道に対して誠実に最後まで貫き通す」という思いを込めたことを明かした。立ち合いで決して小細工はせず、真っすぐで真摯な相撲が持ち味の正代らしい言葉。後援者から教えられたという。
急性膵炎で入院している師匠の時津風親方(元幕内時津海)の代理で式に同席した枝川親方(元幕内蒼樹山)は「時津風部屋から57年ぶりの優勝と大関誕生。うれしい(という感情)しかない。よくやってくれた」と偉業に目を細めた。
時津風部屋は69連勝を記録した名横綱双葉山が創設した名門。正代は「看板を汚さないよう必死で頑張りたい」と見据えた。(禰宜田功)
正代 直也(しょうだい・なおや=本名同じ)熊本県宇土市出身、時津風部屋。熊本農業高3年で国体少年個人優勝。東京農業大2年で学生横綱。14年春場所初土俵。15年秋場所新十両。16年初場所新入幕。17年初場所新関脇。20年秋場所で初優勝。殊勲賞1回、敢闘賞6回。得意は右四つ、寄り。184センチ、170キロ。28歳。(共同)
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