「国の責任明確」「賠償基準の不十分」認める画期的な判決<原発被災者訴訟>

2020年10月1日 05時50分
 東京電力福島第一原発事故を巡る集団訴訟の仙台高裁判決は、原告弁護団が「大きく前進した画期的な判決」と評価する内容だった。ポイントは2つある。

◆「規制当局に期待される役割を果たさず」

 1つは、国の責任を明確に認めたことだ。同様の集団訴訟では、国の責任を否定した地裁判決がある。今回の高裁判決は、国も津波の襲来を予見でき、対策を講じていれば事故は防げたとし、「規制当局に期待される役割を果たさなかった」と断罪した。
 原告である被災者は、国策で原発を推進してきた国の責任追及にこだわってきた。原発事故を2度と繰り返さないためだ。国の責任を東電に次ぐものと判断した一審福島判決が見直されたことは、重要な成果だ。

◆東電の指針超え救済地域を広げる

 もう1つは、東電が賠償の基準とする国の原子力損害賠償紛争審査会が定めた中間指針の不十分さが認められたことだ。東電は指針を「最高基準」としてかたくなに守るが、高裁は指針を超えて救済すべき地域を広げる判断を示した。
 東電の賠償は、被害実態とずれていると幾度も指摘されてきた。原発事故から9年半が過ぎても、十分な補償が受けられない被災者がいる。国は被害救済のため、賠償基準の見直しを急ぐべきだ。(片山夏子)

関連キーワード

PR情報

社会の最新ニュース

記事一覧