座間事件、なぜ立川で裁く? 不明の八王子女性の家族が相談→警視庁高尾署・捜査→地検支部・起訴→地裁支部・裁判

2020年10月1日 07時23分

大勢の報道陣や傍聴希望者が集まった地裁立川支部前=立川市で

 地裁立川支部は三十日、神奈川県座間市のアパートで二〇一七年に男女九人の切断遺体が見つかった事件の初公判を開いた。発生場所にちなみ「座間事件」と呼ばれる犯罪が直接関係のない立川で裁かれるのは、警視庁が高尾署を拠点に捜査し、地検立川支部が白石隆浩被告(29)を地裁立川支部に起訴したからだ。東京都の刑事司法の仕組みをおさらいした。(林朋実)
 「神奈川県で起きた事件なのに、なぜ立川で裁判があるんでしょう」
 三十日朝、地裁立川支部前の行列に並び、傍聴の抽選券となるリストバンドを受け取った多摩市のフリーデザイナー女性(51)はこう首をかしげた。もともと裁判に関心があり、時折、立川支部に傍聴に来ている。「この裁判が立川であると今朝のニュースで知って急いで来た」という。
 座間事件は発生現場も被害者の出身地も、東京との関わりは深くない。一つのつながりは、九人の被害者のうち最後の一人が八王子市の女性=当時(23)=だったことだ。女性の家族が八王子市の一部を管轄する高尾署に行方不明者届を出したことをきっかけに、警視庁の捜査員が白石被告のアパートで九人の遺体を発見した。直後に警視庁は高尾署に捜査本部を設置した。
 警察は原則として逮捕から四十八時間以内に容疑者の身柄を検察庁に送って捜査を続ける。都内で重大事件を扱う検察庁は、千代田区霞が関にある東京地検本庁か、立川市にある地検立川支部だけだ。本庁は二十三区と島しょ部、立川支部は多摩地区を管轄する。捜査本部が多摩の二十警察署のいずれかに置かれた事件は原則、地検立川支部に送検される。本庁には、二十三区の七十七署と島しょ部の五署から送検される。
 地検本庁は地裁本庁に、地検立川支部は地裁立川支部に起訴することになっている。軽微な刑事事件は八王子など各地の簡裁で裁判の一審を行えるが、重大な刑事事件の一審は、都内では、霞が関の東京地裁の本庁か、立川市の地裁立川支部のいずれかで開かれる。二〇一九年度には地裁本庁で八千二百二十件、立川支部では千七百四十七件の刑事裁判が開かれた。
 座間事件の裁判は今後、十二月十五日の判決まで、二十三回にわたって地裁立川支部で開かれる。

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