日本学術会議、首相直轄も法が独立性保証

2020年10月2日 06時00分

記者会見で質問者を指名する加藤官房長官

 日本学術会議は約87万人の国内の科学者を代表する機関で、日本学術会議法に基づき、首相が所轄し経費を国が負担する。同法は、会議が政府から独立して科学に関する審議などを行うことも明記している。同会議が推薦した会員候補の任命を巡り、政府が影響力を強めれば、会議の独立性に疑問が生じかねない。

◆軍事目的の研究に反対

 同会議はこれまで、政府に対する多くの勧告や提言などを行ってきた。科学者が戦争に協力したことへの反省から1950年と67年に、軍事目的の研究を禁じる声明を出した。
 2017年には、軍事応用できる基礎研究に費用を助成する防衛省の「安全保障技術研究推進制度」の予算を、安倍政権が大幅増額したことを踏まえ、50年ぶりに軍事研究に関する声明を発表。助成制度について「政府による介入が著しく、問題が多い」と批判した。同制度は15年度の予算は3億円、16年度は6億円だったが、17年度は110億円に急増した。

◆首相は直接説明せず

 今回、会議が推薦した会員候補を政府が任命しなかった理由について、記者団は菅義偉首相に直接説明するよう求めたが、首相サイドは「官房長官会見で丁寧に応じる」として、応じなかった。(清水俊介)

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