AIタクシーで地域活性 高齢者や観光客の足に 大子町が実証実験

2020年10月2日 07時25分

カーシェアの実演の様子。リアウインドーのカードリーダーに免許証をかざすとドアが解錠される=大子町で

 大子町は1日、マイカーを利用できない高齢者や観光客の交通手段を確保しようと、人工知能(AI)で配車する乗り合いタクシーを運用する実証実験を開始した。加えて、カーシェアリングや無料巡回バスなど計5事業を同時に着手し、利用状況などを調べる。交通の利便性を高め、飲食店や観光地の利用を促し、地域活性化につなげる期待もある。(水谷エリナ)
 町によると、町内は広い面積を持つが、公共交通網が脆弱(ぜいじゃく)な上、高齢者の人口が約45%を占めることから、「交通弱者」の移動手段を確保することが課題。袋田の滝を有する県内有数の観光地だが、観光地間を結ぶ公共交通も少ない。
 これらを解決するため、町は、町民や観光客らを対象とした乗り合いタクシーの導入を目指す。来年九月末まで実証実験し、実用化させたいとする。
 乗り合いタクシーの配車では、AIを活用する。まず、電話の予約の場合、利用する町民は町役場の専用ダイヤルに、乗車場所や時間、降車の場所などを連絡。職員が入力すると、AIが効率の良い運行ルートを判断し、乗車できる時間を表示。すぐに職員から、乗車時間などが伝えられる。
 運行情報は運転手のタブレット端末に送られ、予約番号か名前を伝えると乗車できる。ネットで予約することもできる。観光客はネットのみ可能。実験中は無料で利用できる。
 利用の対象は町民のほか、夜間の飲食店の客や観光客で、それぞれ利用できる曜日が異なる。例えば、観光客向けタクシーは土、日、祝日の午前九時〜午後五時に運行される。
 AI乗り合いタクシーに加え、交通手段の利便性を高めるため、カーシェアリングと無料巡回バスなど計五事業に取り組む。五事業を同時に着手するのは全国初という。
 カーシェアリングは無人で貸し出しできるシステムを活用し、観光やビジネスなどで訪れた人の移動に役立ててもらう。ネット予約し、車両のリアウインドーのカードリーダーに免許証をかざすとドアが解錠される。十五分百円から利用でき、料金は登録したクレジットカードで支払う。
 無料巡回バスは、昨年十月の台風19号で被災した地域や仮設住宅の居住者が対象となり、各地域と商業施設がある池田地区を結ぶ。月曜と金曜(祝日除く)に一日二便が運行する。
 実証実験では、茨城日産自動車(水戸市)が車両四台とカーシェアリングのシステム、NTTドコモ茨城支店(水戸市)がAIシステムを提供している。
 一日は、記念式典が町文化福祉会館「まいん」の駐車場であり、高梨哲彦町長、茨城日産の加藤啓進会長、ドコモ茨城支店の中山晴之支店長らが出席。高梨町長は取材に「公共交通の新たな一手となるので、バランスを見ながら実用化に入っていくことが実証実験の責務だと思う」と話した。

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