学術会議の梶田会長、6候補の任命を再要求 首相への批判続出「会議の独立性侵害」

2020年10月2日 12時29分
日本学術会議の総会後、取材に応じる梶田隆章会長(左端)=2日午前、東京都内

日本学術会議の総会後、取材に応じる梶田隆章会長(左端)=2日午前、東京都内

 日本学術会議の梶田隆章会長は2日午前、同会議の新会員候補6人の任命を見送った菅義偉首相の対応に関し、理由の明確化と、改めて6人を任命するよう求める要望書を出すことを総会に提案した。採決は同日夕の見込み。任命されなかった松宮孝明立命館大教授(刑事法学)らは野党合同ヒアリングにオンラインなどで参加し「会議が推薦した会員を拒否することは会議の独立性を侵すと考えるべきだ」と首相を相次いで批判した。
 立憲民主党など野党は内閣府などに「排除」の経緯をただし、26日召集方向の臨時国会に向け政権追及を強めた。
 学術会議は8月31日に新会員候補105人を推薦。首相はこのうち、安全保障関連法などに反対した法学者ら6人の任命を見送り、新会員99人が10月1日に任命された。
 日本学術会議は2日午前、前日に続き定例の総会を開催。梶田会長は「対外的に要望を提出することをお諮りしたい」と述べた。梶田氏は2015年にノーベル物理学賞を受賞。1日に会長に就任したばかりだった。
 野党ヒアリングには6人のうち3人が参加。岡田正則早大教授(行政法学)は「今後の学術に大きなゆがみをもたらす。法にのっとって手続きをする必要がある」とし、恣意的な選定を回避すべきだとした。小沢隆一東京慈恵医大教授(憲法学)は「学問の自由への大きな侵害だ」と反発。松宮氏は「明確な理由がない拒否は憲法上の疑義を生み出す」とも語った。
 加藤勝信官房長官は記者会見で、任命しなかった理由を繰り返し問われたが「人事の話になれば当然、話せることに限界がある」と述べ、説明を拒否。内閣府の担当者は野党会合で「義務的に任命しないといけないものではない」とした。
 松宮氏は17年、国会で共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法を「戦後最悪の治安立法となる」と指摘。小沢氏は15年、国会で安保関連法に関し「歯止めのない集団的自衛権行使につながりかねない」と語り、廃案を主張した。岡田氏は沖縄県名護市辺野古沿岸部の埋め立てを巡り、政府に批判的な声明を発表している。 (共同)

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