「理由を示さぬ決定は不当」 学術会議会員の任命を拒否された小沢隆一教授 

2020年10月2日 17時24分

東京慈恵会医科大の小沢隆一教授

 
 政策提言を行う国の特別機関「日本学術会議」が、新会員として推薦した法律・歴史学者ら6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題。拒否された1人で、東京慈恵会医科大の小沢隆一教授(憲法学)は東京新聞の取材に、「内閣府は任命しない理由を明らかにしていない。理由を示せない決定は不当だ」と語った。(聞き手・望月衣塑子)

Q (任命拒否の)決定と、「人文科学系の先生たちに萎縮が生じるのでは」と懸念する声をどう受け止めるか?
A 日本学術会議法では、学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命することになっている。「基づいて」という言葉は非常に重い表現。よっぽどのことでなければ、基づかない決定、任命拒否はありえない。今回、内閣府は任命しないことについて理由、根拠を明らかにしていない
 これは勝手に任命拒否したことになる。私たちの学術研究の活動の内容については、学術会議の会員らが審査すべき。そういうものについて政府が内容に介入することはゆゆしきことだ。内容的に理由を示せない決定は不当だ
Q 学術会議の中立性、学問の自由そのものに(政府に)手を入れられたと受け止めているか?
A 科学者の代表として学術会議は活動し、その活動は独立した形で行われている。政府に対する政策提言を行う重要な役割を、そういう学術会議の会員を選ぶわけですから、政府に任命権の勝手な行使は許されない。通常の行政機関とは違う。政府の指示の下に動く行政機関とは性格が違う。独立した組織であることをわきまえないといけない
Q 特定の学者を排除することは、多様な声を聞き入れない政府の姿勢にもつながると思うか?
A 自分たちの都合の悪い政策提言を排除するという考えに基づいている
Q 学術会議のメンバーにどう受け止め、政府にどう働きかけてほしいか
A 早速、梶田(隆章)新会長には私たちの拒否について撤回を求め、学術会議の総力をもってあたってほしいと要請し、快く受け取っていただいた。温かい励ましをいただき、「重大な問題として受け止めている」と伝えてもらった

おざわ りゅういち 東京慈恵会医科大教授、憲法学。15年7月、衆院特別委員会の中央公聴会で、野党推薦の公述人として出席。安保関連法案について「歯止めのない集団的自衛権の行使につながりかねない」と違憲性を指摘し、廃案を求めた

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