安倍政権で成立の秘密保護法や安保法 任命拒否された学者6人が問題点指摘<日本学術会議問題>

2020年10月4日 05時55分
 日本学術会議の新会員への任命を政府に拒否された6人の学者が問題点を指摘していた、特定秘密保護法や安全保障関連法などは、安倍政権が2013~17年、有識者らの根強い反対論を押し切る形で成立させたものだ。国民の権利を侵害したり、憲法違反に当たるとの懸念はぬぐえないままだ。 (上野実輝彦)
 秘密保護法は、米国と共有する軍事機密の漏えい防止を目的に策定。行政機関の長が「安全保障に著しく支障を与える恐れがある」と判断した情報を「特定秘密」に指定し、漏らした公務員らは最高で懲役10年の処罰を受ける。

◆秘密保護法は「民主主義の基盤を危うくしかねい」 宇野・東大教授

 だが、特定秘密の基準は曖昧で、政府が対象を広げることが可能。捜査当局が漏えいをそそのかしたと認めた記者や市民は処罰対象となるが「そそのかし」の基準も不明確で、取材活動の萎縮や「知る権利」の制限につながりかねない。東大の宇野重規教授(政治思想史)は13年12月、他の有識者とともに記者会見し「政治、民主主義の基盤そのものを危うくしかねない」と訴えた。
 安倍政権はその後、憲法9条の解釈を変更し、歴代の政府が禁じてきた集団的自衛権の行使を容認。米国との防衛協力指針(ガイドライン)の再改定で、自衛隊の行動範囲を全世界に広げた。これを法律上でも可能にしたのが安保法だ。

◆安保法は「憲法上、多くの問題をはらむ」 小沢・慈恵医大教授

 東京慈恵会医科大の小沢隆一教授(憲法学)は15年7月、法案を審議する衆院特別委員会の中央公聴会で、歯止めのない集団的自衛権行使や米軍の武力行使との一体化につながり得るとして「憲法上、多くの問題点をはらむ」と訴えた。法案廃止を求める憲法研究者の署名集めも行った。
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法は、テロからの国民保護を名目に、犯罪を計画段階で処罰できるようにした。運用によっては、政府に批判的な団体への圧力になる懸念がある。

◆「共謀罪」法は「戦後最悪の治安立法」 松宮・立命館大教授

 17年6月の参院法務委員会に参考人として出席した立命館大大学院の松宮孝明教授(刑事法)は「市民の内心が捜査と処罰の対象となり、自由と安全が危機にさらされる」と述べ、「共謀罪」法を「戦後最悪の治安立法」と批判した。

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