首相、なぜ2週間で補正指示 経済急落、対策追いつかず

2020年5月15日 02時00分
 安倍晋三首相は十四日、過去最大規模の経済対策を盛り込んだ二〇二〇年度補正予算の成立からわずか二週間で第二次補正予算案の編成を指示しました。なぜ急いで進める必要があるのでしょうか。 (渥美龍太)
 Q 再び経済対策を作る理由は。
 A 経済の落ち込みが大きく、さらにスピードも速いからです。日本経済研究センターは四~六月期の実質国内総生産(GDP)について、民間エコノミスト予測の平均値をまとめていますが、四月には年率でマイナス11・08%だったのが五月にはマイナス21・33%と、一カ月余りで大幅な下方修正になりました。この数字はリーマン・ショック後の〇九年一~三月期に記録した過去最悪のマイナス17・8%を超えていて、政府が支えないと倒産や失業が増えるとの見方が強まっています。
 Q 内容は変わるのですか。
 A 雇用や生活を守るという狙いは同じです。以前の対策は給付金や緊急融資で、体力の弱い企業の倒産や失業を防ぐことに力点が置かれていました。ただ、事態の長期化で経済活動が停滞し、緊急事態宣言が解除された三十九県でさえ、今後もある程度の制約は避けられません。新たな対策では、中小零細企業の重荷になっている家賃負担の軽減や休業者への直接支援など、これまで目配りできなかったり、不十分だったりした部分を補うことになりそうです。
 Q 相次ぐ補正予算で経済は好転するのでしょうか。
 A 日本独自の対策だけで、国内の景気を良くするのは限界があります。世界経済は密接につながっているので、たとえ日本で感染が収束しても、海外で感染拡大が続けば影響は残るからです。グローバル企業のトヨタ自動車が二一年三月期、営業利益八割減という衝撃的な業績予想を出したのが象徴的です。
 Q 今後の課題は何ですか。
 A 政府には感染を予防しながら経済を動かすという、過去の不況では経験したことのない難しいかじ取りが求められます。これまでは雇用維持策を強化しても手続きが煩雑で処理が滞るなど、スピード感のなさが批判されてきました。収束が見通せないのに旅行キャンペーンの予算を計上するなど、「平時」の発想から抜け出せていない面もあり、より実効性の高い対策を進めていく必要があります。

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