<新型コロナ>休業手当助成 拡充  日額、上限は変わらず

2020年4月29日 02時00分
 新型コロナウイルス感染拡大の雇用への打撃が深刻化する中、政府は雇用調整助成金を中小企業についてさらに拡充する策を公表しました。雇用は守られるのでしょうか。 (池尾伸一)
 Q 雇用調整助成金とはどんな制度ですか。
 A 企業が従業員に対して休業手当を支払う場合、雇用の維持を図れるよう国がその一部を助成する仕組みです。
 Q どのように拡充されたのですか。
 A 新型コロナウイルスの拡大を受け、政府はすでに助成率を中小企業で最大90%、大企業で75%に引き上げていました。
 しかし、助成金を使わず社員らを雇い止めや解雇する企業が増えており、自民党や労働組合団体が、企業にとって助成金を使いやすくするよう求めていました。これらの要望を受け、厚生労働省は再び制度を拡充し、新型コロナ特措法に基づく知事らの要請に応じて休業や営業を短縮した場合の助成率を100%まで引き上げました。
 Q これで企業の負担は減るのですか。
 A 新たな拡充策では、本来の月給分の十五万円を休業手当で支給する場合、助成金で全額カバーされ企業側の負担はゼロとなります。再拡充前は90%までしか助成されず、一万五千円は企業が負担しなければなりませんでした。
 Q 要請がなくても閉めている店舗もあります。
 A 売り上げ激減などで休む場合も休業手当の六割分はその90%を、六割を超える分は全額を助成金でカバーします。
 Q 再拡充で助成金は十分ですか。
 A 問題も残っています。助成金の上限額はあくまでも「日額八千三百三十円まで」のままです。土日を除く月二十日働く人の場合、月給十六万円前後までなら助成金で全てカバーされますが、月給がその水準を超えた場合の残りは企業負担です。例えば、月給三十万円の人に八割の休業手当(二十四万円)を出すと、十六万円強しか助成されず、残り七万円強は企業が出す必要があります。
 Q なぜ上限を上げないのですか。
 A 助成は拡充するにもかかわらず、補正予算の予算額は当初の八千三百三十億円を増やさないためです。加藤勝信厚労相はその範囲でやらざるを得ないと説明していますが、事態が急速に深刻化する中、政府の対応は後手後手に回っています。

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