<新型コロナ>コロナ対策 10万円給付 迅速化狙い 時期は見通せず

2020年4月17日 02時00分
 所得が減った世帯に限定して現金を配る政府の方針が、与野党の突き上げにより国民一律の給付に変わる見通しになりました。現金給付の「限定」と「一律」にはどんな違いがあるのでしょうか。 (大島宏一郎、渥美龍太)
 Q なぜ、変更になるのでしょうか。
 A ポイントは配布の時期です。所得が急に減る人々が増え、急いで当面の生活資金を渡す必要があるのです。安倍晋三首相は七日の経済対策発表時、世帯を単位にした限定給付の方がスピードは早く、五月中にも配り始めたいと説明していました。一方の与野党は複雑な線引きという制度設計に時間をかけるよりも、一律の方が速やかに配れるなどと主張し、路線の変更につながりました。
 ただ、一律給付は本人確認などの事務処理に膨大な手間がかかるとの見方があり、安倍首相はもともと「(一律なら)三カ月かかる」と説明していました。この言葉通りに配布時期が夏ごろまで遅れるなら、本末転倒の事態といえます。
 Q ほかには?
 A 政策の効果です。リーマン・ショック後の当時、首相として一律の給付金(原則一万二千円)を配った麻生太郎財務相は「(一律は)効果がなかった」と繰り返し、今回は生活困難に陥った人に絞ってお金を届ける方針でした。
 一方、「もらえない人が多く政策の評判が極めて悪い」(エコノミスト)との声も出ていました。与野党は「不安の払拭(ふっしょく)が必要」などと給付の拡大を強調し、方針転換の一因となったようです。ただ、緊急の生活資金配布という異例の政策のため、効果の予測はそもそも難しい面があります。
 Q お金を配る財源は変わるのですか。
 A 限定給付は千三百万世帯に四兆円程度を想定していましたが、一律の場合、仮に一人当たり十万円で単純計算をすれば十数兆円に膨らみます。政府が最初から一律での巨額給付に踏み切れなかった背景として、先進国最悪の財政を指摘する意見が多くありました。日銀元審議委員の木内登英(たかひで)氏は「景気が良いうちに財政を正常化できなかった影響が出ている」と指摘しています。

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