<新型コロナ>都が休業要請 賃金の補償は 中小、特例で9割助成に

2020年4月11日 02時00分
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は劇場や遊興施設など広範な施設に営業の停止を要請しました。社員の賃金や雇用はどうなるのでしょうか。 (池尾伸一)
 Q 店舗や施設の休止に伴い休業となる社員の賃金はどうなるのでしょうか。
 A 家賃など生活費は変わらないのだから企業は正規、非正規を問わず社員の暮らしに配慮し、従来通り給料を払うのが望ましい。法律でも企業が自己都合で休ませる場合は従来の六割以上の賃金は休業手当として支給するよう義務付けています。今回は国や都の要請にもとづく休業のため、厚生労働省は一律に支給を義務付けるのは困難としつつ、「雇用調整助成金」を活用し六割以上の賃金を支払うよう呼び掛けています。
 Q 雇用調整助成金とは何ですか。
 A 社員を一時的に休業させる企業に休業手当を国が助成する制度です。原資は社員や企業の保険料や税金。新型コロナの感染拡大に伴い特例で助成率を引き上げました。一人も解雇しない中小企業の場合、休業手当の90%(通常66%)、大企業は75%(同50%)を補助します。
 Q 具体的には。
 A 例えば中小企業が、本来の月給二十五万円だった人を休ませ、六割に当たる十五万円を休業手当として払う場合、雇用調整助成金で90%の十三万五千円が支払われます。企業負担は残りの一万五千円で済む。
 Q 90%も補助されるなら企業の活用が進みそうですね。
 A そうとは言い切れません。実は助成金の支給には社員一人当たり「一日八千三百三十円」の上限があります。月給を四十五万円支給している社員の場合、二十七万円の休業手当を払うとすると、助成金で賄える分は月二十日出勤として十六万六千六百円が上限となります。その場合、残りの十万円強は企業負担となるのです。この自己負担や煩雑な手続きを敬遠し、助成金を申請せず、無給で休ませたり解雇や雇い止めしたりする経営者が増える心配があります。
 Q 社員にできることはありますか。
 A 企業に助成金の活用を促すことが必要です。現金が枯渇しかけている企業は多い。急いで対応することが重要な局面となっています。政府には手続きの簡素化が求められます。

関連キーワード

PR情報